冬に旬を迎える「ごっこ」
ごっこ汁の主役となるホテイウオは、カサゴ目ダンゴウオ科に属する魚で、ふっくらと膨らんだ独特の姿をしています。体長はおよそ20~30cmほどで、普段は深い海に生息しています。
冬になると産卵のために岩場へ近づくことから、この時期に漁獲されます。特に2月は漁獲量が多いことで知られており、12月から3月頃にかけてがごっこ汁の旬の時期です。
ごっこをたっぷり味わう鍋料理
一般的なごっこ汁では、ごっこのほか、豆腐、長ネギ、大根、えのき、生海苔などの具材が使われます。昆布だしをベースに醤油などで味を調え、ごっこと野菜を一緒に煮込んで仕上げます。
ごっこから水分が出るため、野菜はやや少なめにし、味付けを濃いめにすることもあります。家庭によっては味噌仕立てにしたり、ジャガイモやワカメなどを加えたりするなど、さまざまな食べ方があります。
卵や肝も味わえるメスのごっこ
メスのごっこは、身だけでなく卵や肝臓も食材として使われます。特に卵を持ったメスは珍重され、オスより高価になることもあります。
一方、ごっこは身が比較的少ない魚としても知られています。そのため、身の味をしっかり楽しむために、メスとオスを組み合わせて使うなどの工夫もされています。
ぷるぷるの食感と淡白な白身が魅力
ごっこの身は淡白でクセが少なく、だしの味がよく馴染みます。厚いゼラチン質の皮は、煮込むことでぷるぷるとした独特の食感になり、ごっこならではの味わいを楽しめます。
また、ホテイウオの骨は非常にやわらかく、ほとんどの部分を食べられるとされています。吸盤も食べることができ、皮や卵などと合わせて、魚を余すところなく味わえる料理です。
函館・道南で味わいたい冬の味覚
ごっこ汁は、冬の函館・道南を代表する郷土料理のひとつです。淡白な身、ぷるぷるとしたゼラチン質、プチプチとした卵など、一般的な魚料理とは異なる食感を一度に楽しめます。
寒い冬に温かな汁とともにごっこの旨みを味わう、北海道ならではの季節の味覚です。函館を訪れた際には、ぜひ旬の時期に味わってみたい郷土料理です。