開国を背景に築かれた五稜郭
1854年、ペリー来航をきっかけに江戸幕府はアメリカと日米和親条約を締結し、下田と箱館(現在の函館)の2港を開港しました。これにより、200年以上にわたって続いた鎖国政策が終わり、日本は開国へと向かいました。
外国船が箱館港へ入港するようになると、北方の防備を強化する必要が生じました。そこで、当時のヨーロッパの築城技術を参考に、箱館の防衛拠点として五稜郭が築かれました。
五稜郭は、水堀に囲まれた星形の城郭で、1か所に半月堡を備えています。その内部に箱館奉行所をはじめとする重要な建物が配置されました。
箱館戦争の舞台となった五稜郭
江戸幕府が崩壊すると、箱館奉行所は箱館府へ引き継がれました。しかし、戊辰戦争の最終局面である箱館戦争では、旧幕府軍が五稜郭を占領し、奉行所も戦いの舞台となりました。
新政府軍は箱館港に軍艦を進め、五稜郭に向けて艦砲射撃を行いました。その砲撃は箱館奉行所にも命中し、戦況は次第に新政府軍が優勢となっていきます。
その後、旧幕府軍が降伏し、五稜郭は新政府軍へ引き渡されました。箱館奉行所は1871年に解体され、かつての建物は姿を消しました。
2010年に復元された歴史的建築
現在の箱館奉行所は、古写真や古図面、文献資料などを詳細に調査したうえで、往時の姿を再現した復元建築です。
江戸時代末期の箱館の歴史を伝える貴重な施設であり、建物そのものだけでなく、幕末の日本が開国へ向かっていった時代背景や、箱館戦争に至る歴史についても知ることができます。
五稜郭とあわせて訪れたい歴史スポット
箱館奉行所は、五稜郭公園の中心部に位置しています。星形の城郭として知られる五稜郭の歴史をより深く知るうえでも、ぜひあわせて訪れたいスポットです。
五稜郭公園を散策しながら奉行所を見学すれば、幕末の箱館が北方防備の重要拠点としてどのような役割を担っていたのかを身近に感じられます。
幕末の函館を今に伝える名所
箱館奉行所は、開国から戊辰戦争、そして箱館戦争へと続く激動の時代を今に伝える歴史的な観光スポットです。
復元された建物を見学しながら、江戸幕府の北辺防備や五稜郭の築城、箱館戦争など、函館の歴史をじっくりとたどることができます。五稜郭公園や五稜郭タワーと組み合わせて、函館の幕末史に触れる観光を楽しんでみてはいかがでしょうか。