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大滝山 福生寺

(おおたきさん ふくしょうじ)

福生寺は、岡山県備前市大内に位置する高野山真言宗の寺院です。山号は「大滝山」といい、寺の本尊は十一面千手観音菩薩(本堂)および大日如来(三重塔)です。福生寺は、瀬戸内三十三観音霊場第十番札所として知られ、また、子院の一つである西法院は山陽花の寺二十四か寺第十四番札所に指定されています。

この寺は、奈良時代に創建されたという伝承を持ち、山陽地方でも有数の古寺として広く知られています。山号である「大滝山」の名前は、境内にある滝に由来しています。現在、福生寺は宗教法人としての法人格を持たず、寺の維持と管理は、実相院、西法院、福寿院の3つの子院によって行われています。

福生寺の御詠歌には、「おおたきの みねよりおつる たきのねは ふくちりしようの みのりぞときく」と詠まれており、その情景豊かな言葉が訪れる人々の心を打ちます。

自然との調和と寺の風情

福生寺は、県南部の秀峰熊山から流れる渓谷に位置し、自然の美しさと調和した落ち着いた風情が漂っています。特に紅葉の時期には、鮮やかな景色が広がり、多くの参拝者が訪れます。福生寺の境内には、室町時代に建てられた三重塔や仁王門など、往時を偲ばせる歴史的な建造物が数多く残されており、その美しさと歴史的価値が今も多くの人々を魅了しています。

福生寺の歴史

福生寺の歴史は、江戸時代中期の元禄14年(1701年)に書かれた縁起によれば、天平勝宝6年(754年)に鑑真によって創建されたとされています。その後、報恩大師が備前48か寺を整備した際に、その一つとして福生寺も含まれました。

平安時代初期には、菅原道真が編纂した『類聚国史』の寺田地の項に「天長5年(828年)6月、備前国墾田四町六反為大滝寺田」と記載され、法隆寺や唐招提寺と並んでその名が挙げられていることからも、福生寺の古さが窺えます。

平安時代中期の万寿元年(1024年)には、大火により寺院が焼失しましたが、その後、足利尊氏の発願により観応年間(1350年 - 1352年)に再興されました。かつては33房の僧院を持つ大寺院であった福生寺も、康正年間(1455年 - 1457年)の赤松氏・山名氏の争いによって、山門と三重塔以外のすべてが戦火で焼失してしまいました。

江戸時代には、岡山藩主の庇護を受け、再び寺院が整備され、明治初期には13房が残っていましたが、現在は実相院、西法院、福寿院の3房のみが残り、寺院の管理を行っています。

福生寺の文化財

重要文化財(国指定)
岡山県指定文化財
備前市指定文化財

これらの文化財は、実相院、西法院、福寿院の3房によって大切に管理されています。

福生寺の所在地とアクセス

福生寺は岡山県備前市大内999に位置しています。アクセス方法としては、JR赤穂線の香登駅で下車し、タクシーで約10分、または徒歩で約40分の距離です。また、宇野バスの大内停留所で下車し、徒歩約35分で到着します。周囲の自然と調和した美しい環境の中にある福生寺は、参拝者に静寂と癒しを提供しています。

自然美と寺院の調和

福生寺の周囲には、実相院の梅林や西法院のあじさいなど、四季折々の自然が美しく彩られています。特に、紅葉の時期には、福生寺全体が鮮やかな赤や黄に染まり、訪れる人々の目を楽しませます。さらに、福生寺を含む熊山南面一帯は、岡山県指定の郷土自然保護地域に指定されており、豊かな自然環境が保護されています。

この地域内には、多くのハイキングコースが整備されており、訪れる人々は自然の中を散策しながら、福生寺の歴史と風情を感じることができます。

Information

名称
大滝山 福生寺
(おおたきさん ふくしょうじ)
Otakisan Fukushoji Temple
エリア
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