» 中国 » 岡山県 » 岡山市・牛窓・備前

備前長船 刀剣博物館

(びぜん おさふね とうけん はくぶつかん)

備前長船刀剣博物館は、岡山県瀬戸内市長船町長船にある刀剣を展示している博物館です。 当館は、長船町立博物館として設立された後、長船町、邑久町、牛窓町の合併に伴い、刀剣に特化した博物館として平成16年(2004年)にリニューアルされました。工房が増設され、現在は備前国で制作された備前刀を主に展示しています。

沿革

昭和56年(1981年)頃、天王社刀剣の森において刀剣展示会が開催される機運が高まりました。これは備前長船が刀剣の発祥の地であること、また周辺に刀匠の菩提寺である西方寺慈眼院が存在することが理由として挙げられます。そのため、展示にあたり盗難や湿気を防ぐ常設博物館の建設が求められました。

同年、天王社刀剣の森が岡山県指定郷土記念物となったことで、博物館建設の動きが加速しました。そして昭和57年(1982年)に敷地2,758平方メートル、鉄筋コンクリート2階建て、延べ面積666平方メートルの施設が着工されました。昭和58年(1983年)に町立博物館として設立され、9月10日にオープンしました。

その後、昭和59年(1984年)には鍛刀場が完成し、一般公開が開始されました。さらに、平成10年(1998年)には、刀工・今泉竣光の工房が再現展示された備前長船民俗資料館が博物館に隣接して建設されました。

最新の取り組み

2020年3月には、国宝「太刀 無銘 一文字(山鳥毛)」が瀬戸内市により購入され、翌年にはバーチャル・リアリティの制作が決定しました。瀬戸内市市長武久顕也氏は、この刀を地域の観光振興と日本刀の情報発信拠点として活用する考えを示しています。

収蔵作品と展示内容

備前長船刀剣博物館では、常時約40口の刀剣を展示しています。展示品は主に備前刀を中心に構成され、刀装具や作刀・研磨工程、備前長船の歴史に関する資料も展示されています。また、年5回程度テーマごとの企画展示も開催されています。

近年の展示には、『戦国BASARA』のキャラクターに関連する武具や、『新世紀エヴァンゲリオン』のロンギヌスの槍の制作・展示など、現代文化との融合が見られます。さらに、地元と縁が深い刀剣も多数収蔵されており、以下のような名品があります:

施設案内

1階・2階展示

博物館の1階と2階では、常時約40口の刀剣が展示されており、刀剣の歴史や各部名称、時代背景についても学べる情報コーナーが設けられています。また、刀づくりの映像や「山鳥毛」のタッチパネルビューアなど、デジタル技術を活用した展示もあります。

今泉俊光刀匠記念館

今泉俊光刀匠記念館では、備前刀復興の祖とされる今泉俊光刀匠の偉業を伝えるとともに、彼が使用した道具類が展示されています。

備前長船鍛刀場

この鍛刀場では、日本刀の刀身を作る刀匠が作業を行っています。年間約6割の時間で古式鍛錬の公開が行われており、高温で玉鋼を打ち延ばす様子を見学することができます。

備前長船刀剣工房

刀身研ぎから刀身彫り、鞘や柄の製作など、刀剣づくりに関わる作業工程を間近で見学できる工房が公開されています。

研修館

多目的に使用できる研修館では、研究発表会や講習会、一般の方によるグループ展などが開催されています。また、小刀製作講座や日本刀手入れ講習会も定期的に開講されています。

ふれあい物産館

ふれあい物産館では、日本刀や備前小刀・刃物類を中心に、備前焼や工芸品などの伝統美術作品が展示販売されています。お茶処もあり、ゆったりとした時間を過ごせます。

利用情報

備前長船刀剣博物館の営業時間は9:00~17:00(入館は16:30まで)です。月曜日(祝日は開館)、祝日の翌日、12月28日~1月4日、展示替え時の臨時休館日があります。

交通アクセス

JR長船駅からタクシーで約10分、または山陽自動車道備前インターチェンジから約20分の場所に位置しています。

入館料

個人の入館料は一般500円、高大生250円、中学生以下は無料です。団体(20名以上)でのご利用は、一般400円となります。企画展示によって料金が異なる場合があります。

Information

名称
備前長船 刀剣博物館
(びぜん おさふね とうけん はくぶつかん)
Bizen Osafune Japanese Sword Museum
エリア
岡山県の観光地 岡山市・牛窓・備前の観光地
カテゴリ
博物館・科学館・資料館

Gallery

岡山市・牛窓・備前

岡山県

カテゴリ

エリア