閑谷学校資料館は、岡山県備前市閑谷に位置する歴史的な建造物及び展示施設です。この資料館は、明治時代に建設され、2001年に国の登録有形文化財に指定されました。設計者は江川三郎八で、建物は当時の建築様式を色濃く残しています。
閑谷学校資料館は、私立閑谷黌(しずたにこう)の本館として、1905年(明治38年)に閑谷学校の学房跡地に建設されました。国宝に指定されている閑谷学校講堂から徒歩数分の距離にあり、閑静な自然環境の中で歴史を感じることができます。
私立閑谷黌は、1919年(大正8年)4月に中学閑谷黌と改称され、1921年(大正10年)には県立学校となり「岡山県閑谷中学校」として運営されました。その後、1948年(昭和23年)の学制改革により「県立岡山県閑谷高等学校」となり、1949年には岡山県立和気高等学校と統合されました。このように、閑谷学校資料館は、岡山県の教育の歴史を物語る貴重な建造物です。
この資料館は、明治時代の木造大型建築の特徴をよく残しており、木造2階建てで、南北両端に階段を配置し、中央には装飾的な円弧状の方杖をあしらった玄関口があります。全体としてコの字型に建物が建築されており、屋根は寄棟造桟瓦葺です。1階には装飾を施した筋交が使われており、基礎は花崗岩を使用した布基礎、その上に煉瓦積の土台が設けられています。
建物の窓下部分の腰板は縦羽目板張り、窓脇の壁は下見板張りとし、内法以上は筋交入りの真壁となっています。また、1階と2階の境には胴蛇腹が回され、装飾的な意匠が施されています。これにより、閑谷学校資料館は、当時の建築技術の高さと美しさを伝える貴重な建物となっています。
本館の他に、かつては講堂や特別教室棟が建設されていましたが、これらの建物は解体され、現在は残っていません。
閑谷学校資料館の内部には、元教室を利用して7つの資料室が設置されています。それぞれの資料室では、以下のテーマに基づいた展示が行われています。
これらの展示を通じて、訪れる人々は閑谷学校の歴史とその教育の価値を深く理解することができます。
閑谷学校資料館へは、以下の交通手段でアクセスすることができます。
このように、閑谷学校資料館は、交通の便が良く、歴史的な価値を学びながら、自然に囲まれた静かな環境でゆっくりと過ごすことができる場所です。ぜひ、訪れてその魅力を感じてみてください。