岡山県立美術館は、岡山市北区に位置する美術館で、地元では「県美」(けんび)の愛称で親しまれています。1988年に開館し、岡山の芸術文化の中心的存在として、多くの美術愛好者や観光客に親しまれています。
岡山県立美術館は、岡山市の中心街にある天神町に位置し、後楽園や岡山城にも近い場所にあります。1988年に岡山県が天神山地区の再開発事業の一環として開設しました。美術館の設立目的は、岡山ゆかりの優れた美術作品を収集・展示し、地域内外の芸術活動を紹介することで、県民の文化活動の発展に寄与することです。また、美術館の建築は、最高裁判所の設計でも知られる建築家・岡田新一氏によるものです。
岡山県立美術館は、郷土にゆかりのある美術作品を中心に、絵画、彫刻、工芸など幅広いジャンルの作品を収集しています。郷土の美術を重視する公共美術館の中でも、特に岡山の美術に徹底的に焦点を当てた収集方針を持つ美術館です。常設展では「岡山の美術展」として、所蔵作品が公開されるほか、特別展では全国の美術館からの巡回展が開催され、質の高い美術品に触れる機会を提供しています。
岡山県立美術館では、学芸員や外部講師による講座やワークショップが定期的に開催され、美術の普及活動にも力を入れています。これらのプログラムは、県民の文化的な学びを深める機会を提供し、地域の文化活動の発展に貢献しています。
岡山県立美術館は、1985年に岡山県企画局に開設準備事務局が設置されたことから始まりました。同年10月28日に起工式が行われ、1987年7月1日に竣工しました。翌1988年3月18日に正式に開館し、その後は岡山の芸術文化の発信地として多くの人々に親しまれています。
岡山県立美術館には、岡山県にゆかりのある画家や工芸家の作品が多数収蔵されています。代表的な収蔵作家には、雪舟、宮本武蔵、浦上玉堂、池田遙邨、国吉康雄、小野竹喬などがいます。また、備前焼の人間国宝である金重陶陽、藤原啓、山本陶秀、藤原雄の作品や、彫刻家・平櫛田中の作品も展示されています。
古書画や日本画はおよそ1か月ごと、洋画や彫刻、工芸はおよそ3か月ごとに展示替えが行われ、新たな作品に出会う機会が提供されています。特に注目すべき収蔵作品として、牧谿の「老子図」、重要文化財に指定されている玉澗の「廬山図」、雪舟の「山水図(倣玉澗)」、宮本武蔵の「布袋図」、浦上玉堂の「山澗読易図」、国吉康雄の「祭りは終わった」、平櫛田中の「五浦釣人」などがあります。
岡山県立美術館へのアクセスは、JR岡山駅から東へ徒歩15分です。また、バスや電車を利用する場合は、以下の方法があります。