後楽園は、岡山県岡山市北区に位置する日本庭園であり、日本三名園の一つとして広く知られています。この庭園は、江戸時代初期に岡山藩主・池田綱政によって造営され、元禄文化を代表する庭園として、国の特別名勝に指定されています。面積は14.4ヘクタールに及び、広大な敷地内には多彩な風景が広がっています。
後楽園はその美しさと歴史的価値から、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで三つ星にランクされており、海外からの評価も高く、多くの観光客が訪れる場所となっています。
後楽園の建設は1687年に始まり、1700年頃に完成を迎えました。この庭園は、池田綱政が岡山藩の財政再建や洪水対策に成功した後、余暇のために造られました。庭園内には、池を中心とした回遊式の設計が施されており、岡山城や周辺の山々を借景にしています。
江戸時代、延養亭という建物が庭園の中心に位置し、藩主が賓客をもてなすための場として使われていました。当初は「御菜園」や「御後園」と呼ばれていましたが、明治時代に「後楽園」と改称され、1884年には岡山県に移譲され一般公開が始まりました。
明治以降も後楽園はその美しい姿を保ち続けましたが、太平洋戦争中の1945年には岡山空襲により園内の建造物が多く失われました。その後、復元作業が行われ、1967年にはすべての建物が元の姿に戻されました。現在では岡山県が管理を行い、国内外から多くの観光客が訪れる観光名所となっています。
後楽園は広大な池、小川、人工の丘など多彩な景観を楽しむことができる場所です。庭園内には茶室や能舞台、花畑があり、四季折々の風景が訪れる人々を楽しませます。特に春には桜が、秋には紅葉が美しく、多くの観光客が訪れます。
後楽園はただ美しい庭園であるだけでなく、歴史的および文化的価値も高く評価されています。1952年には特別名勝および特別史跡に指定され、日本の文化遺産として大切に保護されています。庭園内の建物や構造物も、歴史的な価値を持つものが多くあります。
現在の後楽園は、岡山市が管理しており、観光地として国内外から多くの訪問者を迎えています。庭園内では、伝統的な茶会や文化イベントが定期的に開催され、訪れる人々に日本の伝統文化を紹介しています。また、庭園の維持管理には多くの努力が払われており、常に美しい状態が保たれています。
後楽園の中心的な建物である延養亭は、藩主が賓客をもてなすために使用されました。池や築山、芝生地の広がりを望むことができ、岡山城や遠方の山並みを借景とした素晴らしい景観が楽しめます。
唯心山は庭園内にある人工の丘で、登ると庭園全体を見渡すことができる絶好のビューポイントです。春には桜が咲き誇り、秋には紅葉が美しい場所として知られています。
茂松庵は、静かに過ごすための茶室として利用されています。この茶室からは、四季折々の庭園の風景を楽しむことができ、日本の伝統的な茶文化を体験することができます。
後楽園内には、この他にも慈眼堂、御野島、中の島など、多くの見どころがあります。各施設が歴史的な背景を持ち、庭園の景観に溶け込んでいます。特に延養亭からの眺めは、後楽園を訪れる際に見逃せないポイントです。
以下に後楽園の主要な歴史的イベントを示します。
1687年(貞享4年): 御後園(後楽園)の鍬始め。
1691年(元禄4年): 御茶屋(後の延養亭)の完成。
1700年(元禄13年): 御後園が一応完成。
1871年(明治4年): 池田章政が後楽園と改め、一般公開。
1884年(明治17年): 岡山県の所有となり、一般に公開。
1945年(昭和20年): 岡山空襲で園内の建物が焼失。
1967年(昭和42年): 園内の全ての建物が復元。
2000年(平成12年): 築庭300周年を迎える。
2015年(平成27年): 岡山県がスマートフォン向け無料アプリ「岡山後楽園ナビ」の提供を開始。
後楽園は、岡山市中心部から徒歩や公共交通機関で簡単にアクセスできます。近隣には岡山城もあり、観光ルートの一部として訪れるのに最適な場所です。後楽園の美しい景観と歴史的価値を楽しむため、ぜひ一度足を運んでみてください。
後楽園は、歴史と文化を深く刻んだ日本庭園であり、訪れる人々に四季折々の美しい景観とともに、江戸時代から続く日本の庭園文化を感じさせてくれます。岡山を訪れた際には、ぜひ後楽園を訪れてその魅力を体感してみてください。
3月20日から9月30日
午前7時30分から午後6時(入園は午後5時45分まで)
10月1日から3月19日
午前8時から午後5時(入園は午後4時45分まで)
なし
大人 410円(15歳~65歳未満)
高校生以下 入園無料
シニア 140円(65歳以上)
JR岡山駅から徒歩約25分または、バスで約15分または、路面電車で約4分「城下」下車、徒歩約10分