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金甲山

(きんこうざん)

金甲山は、岡山県岡山市南区および玉野市に位置する標高403.4メートルの山です。この山は、古くから伝わる伝説や豊かな自然、そして素晴らしい景観で知られています。

名前の由来

金甲山の名前の由来は、坂上田村麻呂が由加山の鬼退治に向かう際に、戦勝を祈願して金の甲(甲は鎧のことを指します)を山中に埋めたという伝説からきています。また、金甲山は「神の峰(こうのみね)」とも呼ばれており、山頂にはかつて磐座や、国生み神話に登場する児島の神である建日方別を祀る祠がありました。現在、その祠は北側の山麓にある国津神社と吉備津神社の岩山宮に祀られています。

金甲山の景観と観光スポット

金甲山は、児島半島および玉野市の最高峰であり、展望台からの眺望は格別です。南方向には遠く瀬戸内海を隔てて四国の香川県や瀬戸大橋が望め、北方向には岡山市街地が一望できます。この素晴らしい眺めから、瀬戸内海国立公園第2種特別地域に指定されています。

かつて、山頂には展望台付きのレストハウスがあり、自家用車や路線バス、観光バスが行き交う賑わいを見せるドライブコースとして多くの人々に親しまれていました。駅伝大会も開催されるなど、県民にとって身近な観光スポットでした。

レストハウスの歴史と現在

しかし、1988年に瀬戸大橋が開通すると、金甲山への訪問者数は減少し、1990年代には県道沿いに産業廃棄物処分場が設置されたことで、ダンプカーの往来が増加しました。また、夜には違法競走型暴走族が出没するようになり、次第に山の魅力は失われていきました。その結果、道路の補修も行われず、舗装状態が悪化し、2001年にはレストハウスも閉鎖され、かつての賑わいは姿を消しました。

しかし、2010年に両備グループの100周年記念事業の一環として、閉鎖されていたレストハウスが改修・整備され、再び展望台が一般開放されることとなりました。これにより、金甲山は再び訪問者を迎える場所として復活しました。

金甲山からの眺望と近年の話題

金甲山からは、特に冬場の空気が澄んでいる時期には大山を望むことができ、また、近年では本州から最遠となる場所として、あべのハルカスを望むことができることでも話題になりました。

2018年には西日本豪雨と台風の影響で土砂崩れが発生し、金甲山への道は全面通行止めとなりましたが、約2年半後の2021年3月27日には通行止めが解除されました。現在では、かつてのように多くの車が夜景を楽しむために集まる光景が見られるようになりました。

放送送信所としての役割

金甲山の山頂には、金甲山送信所および北讃岐中継局が設置されており、岡山県と香川県の放送の中心的な役割を果たしています。この送信所は、広範囲に電波を送信し、地域住民にとって重要なインフラとなっています。

まとめ

金甲山は、その歴史的な背景や豊かな自然、そして見事な景観で多くの人々に愛されてきました。かつては観光地としての賑わいを見せたこの山は、一時期その魅力を失いかけましたが、再び展望台の一般開放を機にその姿を取り戻しつつあります。展望台からの眺望は、四季折々の美しさを楽しめる場所として訪れる価値があります。歴史と自然が織りなすこの金甲山を、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。

Information

名称
金甲山
(きんこうざん)
Mount Kinko
エリア
岡山県の観光地 岡山市・牛窓・備前の観光地
カテゴリ
山・峠・高原・湿原・渓谷 景勝地・展望台

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