古くから伊豆半島西岸の景勝地として親しまれている堂ヶ島天窓洞は、まるで屋根に天窓と呼ばれる穴が開いたような風貌で知られる海蝕洞です。
洞内では天窓から差し込む光が、エメラルドグリーンの水面や壁面を照らし、神秘的な光景を作り出しています。
天窓洞を含むこの一帯は、駿河湾に面した美しい海岸が広がり、「伊豆西南海岸」として国の名勝にも指定されています。
堂ヶ島の地質は、新第三紀中新世の白浜層と呼ばれる石英安山岩質の凝灰岩で構成されています。
この凝灰岩は波の浸食を受けやすいため、周辺には数多くの海蝕洞が形成され、独特な地形が広がっています。
白い凝灰岩から成る天窓洞は、波の浸食によって形成された海蝕洞窟なのです。
洞窟内部は蜂の巣のよう複雑な構造をしており、3つの入り口から入ることができます。
南口と西口は海側に向かって開口し、東口は山側に向かって開いています。洞内は2つの横穴で連結され、総延長は395メートルにも及びます。
特に幅広くて長さが147メートルもある南口から洞窟内に入ることができます。洞窟の形状は「井」の字のようで、壮大な景観を作り出しています。
そして、洞窟の中央に進むと、そこには天井が丸く抜け落ちた天窓が広がります。この直径10数メートルの穴は、複数回の陥没や崩落によってできました。
暗い洞窟の中に射し込む太陽の光の帯がエメラルド色の海面を照らし、神秘的な光景を作り出しています。
この場所には、歌人の与謝野鉄幹と与謝野晶子夫妻も訪れ、その美しさに詩を詠みました。
「島の洞 奥に窓あり 潮ゆれて 孔雀の色を 我が船に投ぐ」
与謝野鉄幹
「堂ヶ島 天窓洞の 天窓を 光てくだる 春の雨かな」
与謝野晶子
天窓洞は堂ヶ島遊歩道のコース上に位置しており、上からも覗き込むことができ、遊覧船に乗って洞窟を巡ることもできます。
「堂ケ島洞窟めぐり遊覧船」では、堂ケ島周辺の島々や天然記念物である天窓洞など、美しい海岸線の奇岩が連なる景色をめぐることができます。
船内では島々の説明などが放送され、さまざまな遊覧コースが用意されており、短い時間でも充分に楽しむことができます。
西伊豆町は夕日の美しさで知られ、堂ヶ島でも魅力的な夕陽の光景が見られます。
散策自由
遊覧船運行時間 9:00~16:00
堂ヶ島クルーズ
大人 1,800円
子供 900円
伊豆急行「下田駅」から東海バス堂ヶ島行きで60分、終点下車、徒歩5分