静岡県東伊豆町に位置する稲取温泉は、美しい海と自然に囲まれた温泉地で、伝統的な祭りや独自の文化が色濃く残る地域です。毎年行われる「雛のつるし飾りまつり」や「どんつく祭り」などのイベントも有名で、観光客に人気のスポットとなっています。
稲取温泉は、伊豆半島の東海岸に突き出た岬に位置しており、海に面した風光明媚な温泉地です。温泉街には30軒以上のホテルや旅館、民宿が立ち並び、訪れる観光客に温泉と美しい景色を楽しませています。また、東伊豆町の中心地であり、市街地の利便性と温泉街ならではの雰囲気を兼ね備えたエリアです。
稲取温泉の泉質は硫酸塩泉で、肌に優しく保湿効果が高いことが特徴です。硫酸塩泉には血行促進や筋肉の緊張緩和の効果も期待され、日々の疲れを癒すのに適した温泉です。身体を芯から温め、健康増進に寄与する成分が豊富に含まれています。
稲取温泉街は、稲取港に近接しており、新鮮な海の幸も堪能できるのが特徴です。温泉街には共同浴場や飲食店、スナックなどが点在し、地元の雰囲気を味わいながらのんびりとした時間を過ごすことができます。また、公園や2か所の足湯施設もあり、気軽に温泉を楽しむことができるスポットが揃っています。
稲取温泉を訪れる多くの観光客が楽しみにしているのが、毎年1月20日から3月31日に開催される「雛のつるし飾りまつり」です。この祭りでは、華やかな雛人形とともに、手作りのつるし飾りが会場に飾られ、美しい装飾が訪れる人々を魅了します。各家庭で代々受け継がれてきたつるし飾りには、健康や幸福を願う思いが込められており、地域の伝統を感じられるイベントとなっています。
稲取温泉が開湯したのは1956年(昭和31年)で、比較的新しい温泉地です。しかし、温泉地としての発展は急速に進み、観光地としても整備が進みました。2006年には稲取温泉観光協会によって事務局長の全国公募が行われ、2007年4月に新しい事務局長が就任するなど、地域の活性化にも積極的に取り組んでいます。
稲取温泉では、6月の第1週に奇祭「どんつく祭り」が行われます。この祭りは、稲取温泉の地域に根差した古くからの伝統行事で、地域住民の無病息災や五穀豊穣を祈願するために行われます。どんつく祭りは、地元の文化や風習に触れることができ、観光客にとっても貴重な体験となるでしょう。
稲取温泉では、4月5日から6月30日にかけて「つるし端午の福まつり」も開催されています。端午の節句にちなんだ行事で、武者人形や兜をモチーフにした手作りのつるし飾りが展示されます。子供たちの成長と健康を願うこのイベントも地域に根ざしており、訪れる人々に温かな思いが伝わる祭りです。
稲取温泉の近くに位置する稲取港は、漁業が盛んな港であり、豊富な海の幸が水揚げされます。新鮮な魚介類を味わえる飲食店も多く、特に名物の「金目鯛料理」は、観光客に人気です。稲取港で水揚げされた魚を使った海鮮料理は、温泉地での食事を一層楽しいものにしてくれるでしょう。
稲取温泉は、観光客が伊豆を満喫するための拠点としても便利な場所にあります。周辺には熱川温泉や片瀬温泉といった他の温泉地も点在し、温泉巡りを楽しむことができます。自然豊かな東伊豆の景観も魅力で、ハイキングや海水浴、釣りなど、さまざまなレジャーが楽しめるのも特徴です。
稲取温泉へは伊豆急行線「伊豆稲取駅」で下車します。駅から温泉街へは徒歩圏内で、温泉街にある宿泊施設や観光スポットも徒歩でアクセスしやすい立地となっています。
車で訪れる場合は、東名高速道路の沼津インターチェンジから国道136号、国道414号、国道135号を経由してアクセスすることができます。また、西湘バイパス石橋インターチェンジから国道135号を利用するルートもあり、ドライブで伊豆半島の風景を楽しみながら訪れるのもおすすめです。
稲取温泉は、温泉地としての魅力に加えて、伝統的な祭りや豊かな自然、地元の海の幸を楽しめる観光地です。温泉街の賑わいや地元の文化に触れることで、心温まる体験ができるでしょう。四季折々のイベントや祭りが開催される稲取温泉は、観光客にとって見どころが尽きないスポットです。静岡県東伊豆を訪れる際には、ぜひ稲取温泉でのんびりとしたひとときをお楽しみください。