阿治古神社は、静岡県熱海市網代にある由緒正しい神社です。式内社論社として知られ、旧村社に指定されています。毎年7月19日から21日に行われる例大祭は特に有名で、その中で披露される「阿治古神社鹿島踊」は熱海市無形文化財に指定されています。
阿治古神社は、静岡県熱海市網代172番地に位置しています。網代の歴史や文化と深く結びついており、地元住民だけでなく、多くの観光客も訪れる人気のある場所です。
阿治古神社には、以下の神々が祀られています。
また、伊豆大島には同じ「阿治古命」を祀る神社が存在しており、この網代の阿治古神社がその分社や遥拝所であった可能性が指摘されていますが、現在のところ明確な関係は確認されていません。
阿治古神社の創建年は明確ではありませんが、『延喜式神名帳』に記されている伊豆国賀茂郡の式内社に比定されています。もともとは朝日山に鎮座していましたが、正保3年(1647年)以前に現在の場所に遷座しました。
天正18年(1591年)の小田原征伐の際、豊臣秀吉は網代村に対し軍船の提供を命じました。その功績を称えて、阿治古神社に「流れ瓢箪」の幕染めや帯刀の許可が与えられました。この伝統は現在の祭礼にも受け継がれています。
江戸時代には、徳川家光が阿治古神社に「白の吹き流し」を許可したと伝わっています。これも例大祭の御神幸行列で用いられ、歴史的価値を伝えています。
1923年の関東大震災により社殿が倒壊しましたが、1926年に再建され、現在の姿となっています。
2020年および2021年には新型コロナウイルスの影響で例大祭が中止されました。
例大祭は毎年7月19日から21日にかけて行われます。19日は宵宮祭、20日は本祭り、21日は後祭りとされ、最終日には網代漁港で「網代ベイフェスティバル」が開催されます。
祭りのハイライトは御神船「両宮丸」を中心とした御神幸行列です。この際、豊臣秀吉から許可された「流れ瓢箪」の幕染めや、徳川家光が許可した「白の吹き流し」が用いられ、歴史の重みを感じさせます。
例大祭では「阿治古神社鹿島踊」が披露されます。この踊りの歌詞は書き記すことが禁じられ、口伝によって伝承されています。伊豆半島東海岸には同様の踊りを行う地域が多く、地域文化の一部となっています。
境内には、漁業関係者から寄贈された「大漁桜(タイリョウザクラ)」が植えられており、春には美しい花を咲かせます。
「阿治古神社鹿島踊」は熱海市無形文化財に指定されており、その伝統は地域の誇りとなっています。