魚と野菜を重ねて発酵させる独特の製法
飯寿司は、塩漬けした魚と野菜、山菜などを交互に重ね、米麹とともに漬け込んで作ります。発酵が進むことで、魚のうま味に米の甘みと乳酸発酵によるほどよい酸味が加わり、独特の風味が生まれます。
一般的な「なれずし」と比べると、低温で漬け込む期間が比較的短いことから、香りは穏やかで、魚のうま味と発酵の風味を楽しみやすいのが特徴とされています。
さまざまな魚や野菜で楽しむ地域の味
飯寿司に使われる魚には、ハタハタ、鮭、ニシン、サンマ、ホッケ、キンキ、カレイなどがあります。
野菜には、キャベツ、大根、ニンジン、ショウガ、キュウリ、タマネギ、サンショウなどが使われます。また、地域によってはアケビやヤマブドウなどの果物を加えるなど、さまざまなバリエーションがあります。
北海道から北陸へ広がる「なれずし」
飯寿司は、主に北海道から北陸地方にかけての日本海側や寒冷な地域で作られてきました。一方で、西日本にも点在して伝わっています。
寒冷な地域で発達した背景には、発酵に適した気候があります。低温の環境でじっくり発酵させることで、飯寿司ならではの風味が生まれます。
「飯寿司」という名前の語源については、「飯鮓(いいずし)」が転じたという説や、「魚鮓(いおずし)」が転じたという説などがあります。
素朴な味わいを楽しむ郷土料理
飯寿司は、魚のうま味と野菜の食感、米麹の甘み、乳酸発酵による酸味が調和した、素朴ながら奥深い味わいが魅力です。
お酒のお供としてはもちろん、ご飯のおかずとしても親しまれています。使われる魚や野菜によって味わいが変わるため、地域ごとの飯寿司を食べ比べてみるのもおすすめです。