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富士山頂上奥宮は、富士山の大宮・村山口登山道頂上に鎮座する神社で、 浅間大神(木花之佐久夜毘売命)を主祭神としています。周辺は富士箱根伊豆国立公園内の「特別保護地区」に指定され、 多くの歴史的・文化的価値を持つ神聖な場所です。
富士山頂上奥宮の起源は、元々「大日堂」と呼ばれる施設でした。しかし、明治時代の神仏分離令により、 仏像が撤去され、浅間大社の奥宮として再編されました。大日堂は「表大日」、薬師堂は「裏薬師」として親しまれていました。
江戸時代、徳川家康による庇護を受けた浅間大社は、本殿造営や山頂部の管理・支配権を認められました。 安永8年(1779年)の幕府の裁許により、八合目以上の支配権が正式に認定されました。
明治時代、浅間大社の寄進地は一時国有化されましたが、2004年に裁判の結果、 再び浅間大社に返還されました。ただし、静岡県と山梨県の県境が未確定であるため、現在も土地の登記は行われていません。
奥宮境内には「冨士山頂上淺間大社奥宮」と書かれた石碑が立ち、山頂の象徴となっています。 また、御扉には「國鎭無上嶽」と金色で大書され、参拝者を迎えます。
毎年7月11日には開山祭が行われ、8月15日には例大祭が執り行われます。例大祭は、 国家安泰や登拝者の安全を祈願する重要な行事です。また、9月の閉山祭以降は翌年まで無人となります。
2020年の例大祭は新型コロナウイルスの影響で登山道が閉鎖され、関係者のみで実施されました。
奥宮では、70歳以上の高齢者が「高齢者登拝者名簿」に記帳すると記念品が授与されます。 この取り組みは1960年に始まり、2010年時点で累計1243人が記帳しています。
古代より、富士山頂は神聖な場所とされ、多くの寄進や奉納が行われてきました。 最初の施設は末代上人が建立したもので、仏像や経典が奉納されていました。
明治時代の廃仏毀釈により、多くの仏像が撤去されましたが、一部は現在も残されています。 山頂には「虎岩」と呼ばれる岩もあり、信仰の対象となっています。
浅間大社本宮と奥宮では異なる御朱印が授与されます。奥宮の御朱印には富士山の溶岩砂が含まれており、 特別感のあるものとなっています。
浅間大社には複数の摂社・末社があり、それぞれ特定の神々を祀っています。例えば、 山宮浅間神社は浅間神が最初に祀られた場所で、現在も富士山の遥拝所として機能しています。
富士山頂付近には薬師堂の跡地に祀られた久須志神社があり、大名牟遅命と少彦名命を祭神としています。
『駿河国神名帳』には浅間御子明神として18柱の御子神が記されています。 これらの一部は浅間大社の摂社として祀られていますが、他の御子神の所在は明らかになっていません。
富士山頂上奥宮は、歴史と自然、信仰が融合する特別な場所であり、多くの参拝者や登山者を惹きつけています。