かつて第56・57代元首相を務めた岸信介の自邸として1969年に自邸として建てられた美しい建物です。
近代数奇屋建築の第一人者である建築家・吉田五十八が晩年に手掛けたの作品であり、日本の伝統的な数寄屋建築の美と現代的な住まいの機能が見事に融合しています。
内部には吉田五十八がデザインした照明や家具が使われています。建物は有形文化財に登録されています。
御殿場の豊かな自然に囲まれながら、歴史を刻み続けるこの邸宅と静かな和風庭園をお楽しみください。
敷地内の東山旧岸邸に隣接した和カフェ「とらや工房」では、販売所の隣の工房で一つ一つ手作りされたお菓子を自然を感じる開放的なテラス席で、煎茶と一緒に味わうことができます。
定番のどら焼き、大福、最中などの他に、季節の素材を活かした和菓子も期間限定で楽しめます。広い敷地内で美しい庭園の散策もおすすめです。
御殿場市は標高約500メートルの冷涼な気候で、魅力のエリアに広がっています。
特に、「御殿場プレミアム・アウトレット」の南側に広がる東山エリアには、秩父宮記念公園をはじめとする、かつての保養地や別荘地を感じさせる施設が点在しています。
「東山旧岸邸」は、この東山地区に位置し、かつては秩父宮雍仁親王や西園寺公望、岸信介、黒澤明、白洲正子などが別荘を持っていた場所でもあります。そのため、閑静な別荘地の雰囲気が今も色濃く残っています。
東名高速道路 御殿場インターから、竹林が風に揺れる道を進むと、入り口が現れます。
広大な敷地内にあり入り口からは清々しい空気と美しい自然に包まれた別世界が広がります。木漏れ日の中を歩きながら、鳥のさえずりや葉の音に癒されます。
1927年(昭和2年)からこの地にあるという伝統的な茅葺き屋根の竹林に包まれた山門をくぐります。
敷地内の四季折々の植物を楽しむことができる散策路「風音(かざね)の森」は回遊するように散策できます。ヤマザクラやサルスベリなどが植栽され、季節感を演出しています。
建築家・吉田五十八
東山旧岸邸は、岸信介が1969年に自邸として建てられました。その後、約30年の歳月を経て、2003年に御殿場市に寄贈され、一般公開されました。
この邸宅は建築家・吉田五十八の晩年の作品であり、施主である岸信介の生活を考慮しつつ、伝統的な数寄屋建築の美と現代的な機能を両立させるように設計されました。
建築家・吉田五十八は、東京美術学校(現・東京藝術大学)を卒業後の1925年にヨーロッパを訪れ、新建築に興味を持っていましたが、そこで土地の伝統や民族に根ざした建築に魅了されました。
帰国後、彼は日本建築の伝統に目を向け、近代数寄屋建築という独自のスタイルを提案しました。このスタイルは伝統的な要素を保ちつつモダンさを取り入れ、当時の洋風の生活にマッチして高く評価されました。
吉田五十八は多くの設計を手掛け、その功績により史上二人目の文化勲章を受章しました。
岸信介邸は、吉田五十八の晩年の代表作であり、工業生産材料の使用や各部屋の障子の荒組、食堂の押込戸、和室の吊束の廃止と欄間の吹き抜けなど、吉田五十八の建築的特徴が見られます。
建築
内部は吉田五十八のデザインが随所に見られ、近代建築の特徴が光ります。玄関ホールには竹で作られた家具が設置されており、機能性と統一感を演出しています。
天井には木材や竹に加えて塩化ビニールが使われ、モダンな雰囲気を醸し出しています。書斎には岸信介氏の筆跡が残る机があり、その当時の様子を想像することができます。
和室からは美しい茶庭を眺めることができ、ゆったりと過ごすことができます。床の間には岸信介の直筆の掛け軸が飾られており、貴重な品です。
和室は吉田五十八氏のこだわりが凝縮されており、吊束や欄間を省くことですっきりとした空間を実現しています。
居間と食堂のフロアは映画やドラマのロケ地としてもよく使われており、見たことがあるかもしれません。
居間からは美しい自然の庭園が一望できます。特に秋にはノムラモミジやイロハモミジの紅葉が見事で、絶好の写真撮影スポットです。
食堂の椅子に座ると、周囲を遮るものがなく、壮大な景色が広がります。障子やガラス戸、網戸はすべて押込戸になっており、壁戸袋に収納できるようになっています。
食堂の天井には大きな梁があり、間接照明の効果で程よく豪華でありながら派手さを抑えた空間になっています。
庭園は四季折々の美しい景色を楽しむことができます。春はスイセンやフジザクラ、夏はあじさい、秋はモミジやムクロジ、冬は雪景色と、季節ごとに異なる表情を見せてくれます。
さらに、敷地内のとらや工房では和菓子も販売されており、定番のとらやの羊羹も購入できます。お土産にもおすすめです。
東山旧岸邸は、近代建築の粋とモダンさが満載の見どころ豊かな場所です。ぜひ訪れて、その美しい建築と歴史に触れてみてください。
4月~9月 10:00~18:00
10月~3月 10:00~17:00
毎週火曜日(祝日の場合は翌日)
12月29日~1月3日
一般 300円
小・中学生 150円
JR御殿場線 御殿場駅 下車タクシー15分
東名高速道路 御殿場IC から車で約5分