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一碧湖

(いっぺきこ)

一碧湖は、伊豆半島東岸に位置する静岡県伊東市の湖であり、火山活動によって形成された火口湖です。 南東から北西に伸びたひょうたん型の形状が特徴で、「伊豆の瞳」として親しまれています。湖は大池(おおいけ)と沼池(ぬまいけ)の2つに分かれており、それぞれ異なる魅力を持っています。

一碧湖は1927年(昭和2年)に日本百景に選定され、多くの観光客に親しまれています。また、昭和初期には歌人の与謝野鉄幹・晶子夫妻が訪れ、湖畔に短歌を残しています。 現在では、釣りやボート遊び、バードウォッチング、春の山桜、秋の紅葉など、四季折々の楽しみ方ができるスポットです。

大池と沼池

大池は湖の北西側に位置し、十二連島という小さな島々を持っています。一方、南東側の沼池は湿地帯となっており、葦や水生植物が繁茂しています。沼池は水位が低いときに干上がることもあり、その独特な景観が魅力の一つです。

名の由来

一碧湖という名称は、明治時代に漢学者の杉山三郊によって命名されました。この名前は北宋の文人・范仲淹が著した『岳陽楼記』の一節「一碧萬頃」から取られています。 この表現は、湖面と空が一体となって碧(青色)が果てしなく広がる様子を示しており、湖の美しさを的確に表現しています。

成因と地形

一碧湖は、伊豆東部火山群の活動により形成されたマール(爆発によって生じた火口)とされています。 約10万3500年前に激しい水蒸気爆発によって生まれたと考えられており、火山弾を含む厚い角礫岩の地層がその証拠とされています。

地質学的な特徴

沼池側の窪地も別の噴火による火口であり、同時期に梅木平火山や門野火山、荻火山が形成されました。これらの火山は一直線上に並んでおり、同じ岩盤の割れ目から噴火したとされています。

また、約4000年前には近隣の大室山が噴火し、その溶岩流が大池の西側に流れ込み、現在の十二連島を形成しました。このように、一碧湖の地形は伊豆東部火山群の複雑な火山活動の歴史を物語っています。

観光スポットとしての魅力

一碧湖は、観光地としても高い人気を誇ります。湖畔ではヘラブナ釣りが楽しめるほか、貸しボートで湖上からの風景を満喫することも可能です。 また、春には山桜が湖面を彩り、秋には紅葉が見事な景観を作り出します。さらに、バードウォッチングを目的に訪れる観光客も多く、四季を通じて多彩な自然を楽しむことができます。

文化的な背景

昭和初期に与謝野鉄幹・晶子夫妻が訪れた際に詠まれた短歌は、現在でも湖畔に歌碑として残されています。文学的な魅力も兼ね備えた一碧湖は、歴史と自然が調和した観光地といえます。

外来種と環境保護

一碧湖では外来種であるブルーギルが生息しており、これは1960年に皇太子明仁親王(当時)が海外から寄贈したものが放流されたことに由来します。その後、日本各地に生息域が拡大しました。 現在では、生態系保全の観点から、外来種の管理と湖の自然環境保護に力を入れています。

アクセス情報

一碧湖は伊東市の中心部から車で約15分の場所に位置しており、観光客にも訪れやすい立地です。公共交通機関を利用する場合は、最寄りのバス停から徒歩圏内でアクセス可能です。

まとめ

一碧湖は、美しい景観と火山活動の歴史を持つ貴重な自然遺産であり、四季折々の楽しみ方ができる観光スポットです。その文化的背景や地質学的な魅力も含め、多くの人々に愛されています。 伊豆半島を訪れる際には、ぜひ一碧湖の静かな湖畔で癒しのひとときをお過ごしください。

Information

名称
一碧湖
(いっぺきこ)
Lake Ippeki
エリア
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