奥野ダムは、静岡県伊東市鎌田に位置し、二級河川・伊東大川の本流に建設された補助多目的ダムです。その役割は治水と上水道の供給であり、地域の安全と生活を支えています。また、松川湖と呼ばれる人造湖を形成し、美しい自然環境や観光スポットとしても多くの人々を魅了しています。
奥野ダムは、伊東大川の洪水対策と伊東市への上水道供給を目的として建設されました。堤高63.0mの中央土質遮水壁型ロックフィルダムで、伊豆半島の河川で初めて建設された河川法上のダムでもあります。
管理は静岡県熱海土木事務所が行っており、形成された人造湖は「松川湖」として親しまれています。
岩盤が堅固ではない地盤のため、ロックフィルダムが採用されました。当初は1983年に完成予定でしたが、補償交渉の遅延により1989年に完成しました。
伊東大川は伊東市街を流れる重要な河川でありながら、大雨時には洪水が発生し市街地に大きな被害をもたらしてきました。特に1958年の狩野川台風では壊滅的な被害を受けたため、河川改修が計画されました。
伊東市は温泉観光地として多くの観光客を迎え、さらに人口も急増しました。これにより上水道の需要が増加し、新たな水源確保が急務となりました。
静岡県は、洪水対策と上水道の確保を兼ね備えた多目的ダムを建設することを決定しました。1972年に計画が始まり、1989年に完成しました。
洪水時の流量を毎秒550トンから250トンへ削減し、市街地への被害を防ぐ役割を果たします。
伊東市内に対して日量33,250トンの上水道を供給し、住民と観光客の生活を支えています。
ダム湖は「松川湖」と命名されました。地元で伊東大川が「松川」と呼ばれていたことに由来しています。
湖岸は四季折々の花々が楽しめる名所です。特に1月から2月には約300本のロウバイが咲き誇り、4月から5月にはシバザクラが湖岸を彩ります。また、展望台や遊歩道も整備され、多くの市民や観光客が訪れます。
松川湖は伊豆半島の湖釣りスポットとしても人気があり、ニジマスやアマゴなどが釣れます。ルアーフィッシングも可能で、釣り愛好家にとっても魅力的な場所です。
毎年夏休みには「一日ダム教室」が開催され、普段は立ち入れないダムの内部を見学することができます。また、親子木工教室などのイベントも行われています。
ダム完成後、鳥類の生息数は大幅に増加しました。オシドリやカルガモに加え、新たにミサゴやワシタカなども確認されています。
奥野ダムと松川湖周辺は静岡県指定の鳥獣保護区に指定されています。この指定は、ダム建設後に鳥類が繁殖したことを背景としています。
奥野ダムは伊東市街から近く、アクセスが良好です。車や公共交通機関を利用して訪れることができます。
奥野ダムは、地域の治水や上水道供給だけでなく、観光資源としても多くの人々に愛されています。松川湖の自然やイベント、釣りスポットなど、訪れる人々に多様な楽しみを提供しています。