春を告げる名木「鵜飼桜」
岐阜市内でも早い時期に咲く桜
岐阜護國神社の見どころのひとつが、早咲きのエドヒガンザクラである鵜飼桜(うかいざくら)です。幹周り約2.5m、樹高約8m、樹齢100年以上とされる大木で、春になると見事な花を咲かせます。
かつては、桜の咲き具合から長良川の鵜飼で捕れる鮎の漁獲量を占ったと伝えられています。このことから「鵜飼桜」と呼ばれるようになりました。地域の暮らしや伝統文化と深く結び付いた桜です。
岐阜公園や長良川堤の桜とともに、飛騨・美濃さくら三十三選のひとつに選ばれています。春の参拝では、歴史ある神社の境内を彩る桜の風景も楽しめます。
境内の主な見どころ
本殿・拝殿
社殿の建設は昭和14年(1939年)に始まり、昭和15年(1940年)11月に竣工しました。拝殿の前側にあたる外拝殿は、終戦50周年記念事業として平成7年(1995年)に完成しています。静かな境内で参拝しながら、神社の歴史に思いをはせることができます。
鎮霊社
鎮霊社には、国内の空襲や海外移民などに関わる戦争災禍の犠牲者が祀られています。敵味方を問わず、身寄りのない方々や遺骨についても慰霊の対象としています。
平和之碑
平和之碑は、昭和54年(1979年)に岐阜県遺族会と奉賛会によって建立されました。平成16年(2004年)には、御霊を故郷に迎えるという趣旨のもと、神社境内に「平和之碑」として建立されました。戦争の犠牲者を追悼し、平和の尊さを伝えています。
防人像
防人像は、英霊が日本の未来を信じながら戦い、命を落とした姿を表現した像です。愛知文明によって制作され、戦争の歴史と平和への思いを伝えています。
招魂祭場
招魂祭場は、英霊を御本殿に合祀する際の祭儀に使用される場所です。神社の慰霊に関わる重要な施設のひとつです。
奉安殿
奉安殿は、英霊の霊璽簿(名簿)を保管するために設けられた施設です。耐火・耐震構造となっており、大切な記録を守っています。
河童堂
河童堂には河童大明神が祀られています。毎年7月には「かっぱ祭」が行われ、境内の特色ある行事として親しまれています。
大八洲
「大八洲(おおやしま)」は、日本の古い呼び名です。境内には大八洲を見立てた庭園が造られ、日本の国土を象徴する趣向が施されています。
社務所
社務所では、御祈祷の受付や授与品の取り扱いなどが行われています。参拝に関する案内もこちらで確認できます。
参集所
参集所の1階には、岐阜県遺族会の事務所があります。神社の慰霊活動や遺族会の活動に関わる施設です。
せいらん会館
せいらん会館は、結婚披露宴や参集殿などに利用される施設です。
鵜飼桜
境内を代表する名木で、岐阜市内でも早い時期に開花することで知られています。かつては鵜飼で捕れる鮎の豊凶を占う目安とされ、地域の伝統と結び付いた桜として大切にされています。
岐阜護國神社の歴史
創建までの歩み
岐阜護國神社が創建される以前には、明治3年(1870年)に大垣城内に大垣招魂社(後の濃飛護國神社)が、明治42年(1909年)には高山城址に飛騨招魂社(後の飛騨護國神社)が創建されました。
その後、昭和12年(1937年)の支那事変勃発などを背景に、岐阜地域の英霊を祀る神社の整備が進められ、昭和15年(1940年)11月に社殿が竣工し、岐阜護國神社として創建されました。
戦後の歩み
終戦後、一時期は「美濃御霊神社」と改称されていましたが、日本の主権回復後に元の名称へ戻されました。昭和27年(1952年)には、岐阜県神社庁から金幣社の指定を受けています。
現在も、戦没者を慰霊し、平和への願いを伝える場所として大切に守られています。
年間行事と祭礼
春季例大祭
毎年4月12日に行われる祭礼です。神社の祭神を慰霊し、日頃の感謝と祈りを捧げます。
献灯まつり
献灯まつりは、例年4月1日から12日、9月25日から10月5日に行われます。灯火を通して慰霊の心を表し、英霊への祈りを捧げる行事です。
河童祭
毎年7月中旬には、河童大明神を祀る河童堂にちなみ、「かっぱ祭」が行われます。岐阜護國神社ならではの特色ある祭事です。
みたま祭
8月15日に行われる慰霊の祭事です。戦没者を追悼し、平和への願いを新たにする機会となっています。
秋季例大祭
毎年10月5日に行われる祭礼です。春季例大祭とともに、神社の重要な年中行事として受け継がれています。
自然と歴史に包まれた静かな参拝スポット
岐阜護國神社は、金華山の緑と長良川の清流に囲まれた、自然豊かな神社です。境内には、長良川の水位に備えた防水壁や、洪水時に使用される陸閘(りっこう)も設けられており、川とともに歩んできた地域の特徴もうかがえます。
春には鵜飼桜が境内を彩り、歴史や慰霊の意味に触れながら季節の風景を楽しめます。岐阜城や岐阜公園、長良川周辺の観光とあわせて訪れ、岐阜の歴史と自然を感じてみてはいかがでしょうか。