菊水泉
養老山地から湧き出るミネラルを含む水は「菊水泉」と名付けられ、日本の名水百選に指定されています。養老神社境内にあり、元正天皇がこの泉で手や顔を洗うと肌がきれいになり、痛みが取れたと伝えられています。
養老寺
養老孝子伝説の「源丞内」が開いた寺とされ、不老長寿を祈願する参拝者が訪れます。西美濃三十三霊場の二十五番札所です。宝物殿には国指定文化財の「十一面千手観音立像」や岐阜県指定文化財の「滝守不動明王立像」があります。
養老神社
境内には名水百選に選ばれている菊水泉の湧いています。不老長寿や学徳成就にご利益がある神社とされています。
神社の創建時期は不明ですが、「養老孝子伝説」の源丞内にゆかりがあり、奈良時代の養老年間以降と推測されています。養老孝子伝説は、鎌倉時代の古今著聞集に記載されており、親孝行の教訓として語り伝えられています。
社伝によれば、この神社は雨乞いや祈願の天神社として信仰を集め、菊水天神や養老天神とも呼ばれていました。
1504年(永正元年)に菅原道真を合祀し、神社名を「養老天神」と改称しました。明治初期には近くにあった元正天皇と聖武天皇の祭場を移転・合祀し、「養老神社」に改称されました。
養老せせらぎ街道・養老孝子坂
養老せせらぎ街道は、妙見堂から東へと続く道で、秋には美しい紅葉が楽しめます。養老の滝へ向かうメインロードから一本中に入っているため、ゆったりと紅葉を眺めながら散策できます。
養老孝子坂は、養老の滝へ続く滝谷左岸の園路です。飲食店やお土産屋さんが並び、休憩スポットとしても利用されています。養老土産のひょうたんや養老サイダー、焼きたてのお団子などが楽しめます。
体験型アート施設と子どもの国
公園内には体験型アート施設「養老天命反転地」や遊具のある「子どもの国」などの施設もあり、大人から子どもまで一年を通して楽しめます。
養老孝子伝説
昔々、美濃の国に源丞内という貧しい若者がいました。
丞内は毎日、老いた父親を家に残して山へ柴刈りに行き、それを売って米や父親の酒を買っていました。目が見えない父親にとって、酒は唯一の楽しみだったのです。
ある日、山で柴刈りをしていた丞内は転んで眠ってしまいました。すると夢の中で、酒の甘い香りが漂ってきました。目が覚めると、そこにはなんと、香り高い酒が湧き出る泉がありました。
喜んだ丞内は、その酒を父親に持ち帰りました。するとなんと、目が不自由だった父親の視力が回復したのです。
この不思議な酒の泉は、たちまち評判となり、多くの人が訪れるようになりました。その噂は朝廷にも届き、親孝行の丞内は美濃の守に任命されました。
ある日、丞内は養老山へ登りました。養老の滝から牧場側を登り、小倉山からは濃尾平野、伊吹山、恵那山などの景色を眺めることができました。養老山頂からの景色は木々に遮られてあまり良くありませんでしたが、秋真っ盛りの濃尾平野の景色は格別でした。
老を養う若変りの水
717年、美濃国にある「若返りの水」の噂が都にもたらされ、元正天皇が当地に行幸し、老を養う若変りの水であることから元号を「養老」としたのが町名の由来です。
元号である養老は、717年から724年までの期間で、718年(養老2年)にも再び、元正天皇が再び養老に行幸し、740年(天平12年)には、聖武天皇が養老に行幸しています。