部田神社は、静岡県沼津市戸田(へだ)に鎮座する神社です。当地の氏神として信仰を集める式内社で、長い歴史を有する神社です。
部田神社は、創建の詳細は不明ですが、延喜式神名帳に記載されている「部多神社」に比定される式内社です。地元の産土神として「部多座神」「へたの明神」などとも呼ばれ、西伊豆地方の総鎮守として崇敬を集めてきました。現在は、主祭神として大国主命(おおくにぬしのみこと)を祀っています。
部田神社は、延喜式に記載された格式ある神社で、1000年以上の歴史を誇ります。聖徳太子を祀る太子信仰の影響を受けた時期もありましたが、近世以降は大国主命が主祭神となり、農業、漁業、商売の守護神として信仰されています。
1817年(文化14年)に再建された際の棟札には、名主や回船問屋など、多くの地元有力者の名が記されており、当時の戸田村が繁栄していた様子が伺えます。
部田神社は戸田の谷のほぼ中央に位置し、境内面積は424坪です。ヒノキ、イヌマキ、エノキ、クスノキなどの巨木が自生しており、特にコブを持つ大クスは沼津市の天然記念物に指定されています。
部田神社の例祭日はかつて旧暦の9月9日・10日でしたが、現在は10月の日曜日に変更されています。祭礼は18の区が輪番で担当し、地元の住民が注連縄の作成や余興を行います。
鳥居や社殿にかける注連縄は毎年調整され、大注連縄(3.8メートル)や中注連縄、小注連縄がそれぞれ作られます。
舞台では歌や出し物が披露されます。かつては露天商や回り舞台もあり賑わいを見せましたが、近年は地元商工会や婦人会が中心となり、地域に根差した行事が行われています。
境内の2本の大クスは2006年に天然記念物に指定されました。神木とされる北側のクスは樹高34.5メートル、幹周6.7メートル、根回り12.7メートルを誇ります。
社殿内には2点の絵馬があり、「花鳥之図」(1819年奉納)と「戸田消防団い組出初式」(1889年作)が文化財に指定されています。
所在地: 〒410-3402 静岡県沼津市戸田1585
アクセス: 伊豆箱根鉄道「修善寺駅」から東海バスに乗車、「宮の前」下車徒歩1分、または「JA戸田支店」下車徒歩6分。