栄養成分が豊富なエゴマ
あぶらえには、必須脂肪酸の一種であるα-リノレン酸が豊富に含まれています。α-リノレン酸は体内で一部がEPAやDHAに変換される成分で、健康的な食生活を支える栄養素として注目されています。
また、飛騨地方で栽培されたエゴマについては、植物由来の成分であるルテオリンが、ほかの産地のものより多く含まれていることが報告されています。地域の気候や風土が育む食材としても関心を集めています。
長い歴史を持つエゴマの栽培と利用
エゴマはシソ科の一年草で、植物学的にはシソと同じ種に分類されます。日本ではシソとは異なる作物として扱われ、古くから食用や油を採る植物として利用されてきました。
江戸時代の農書『農業全書』にも「ゑごま(白蘇)」の名が登場し、シソの一種である「紫蘇」とともに記されています。また、日本各地の縄文時代中期の遺跡からもエゴマが出土しており、古くから人々の暮らしと関わってきたと考えられています。
地域によって異なる呼び名
エゴマは、日本各地でさまざまな名前で呼ばれています。飛騨地方や長野県南部などでは「あぶらえ」と呼ばれるほか、青森県や岩手県では「ジュウネ」、宮城県や福島県、秋田県などでは「ジュウネン」という呼び名もあります。
「ジュウネン」という名前には、食べると十年若返るという説が伝えられています。また、「あぶらえ」や「え」といった呼び名は、中国語の「荏」に由来するといわれています。
旬は11月から12月
あぶらえの旬は11月から12月です。飛騨地方を訪れた際は、五平餅や和え物など、地域ならではの料理を通して、その香ばしい風味を味わってみてはいかがでしょうか。
長い歴史の中で受け継がれてきたあぶらえは、飛騨の食文化と自然の恵みを感じられる伝統食材です。