天王寺動物園は大正4年(1915)に、日本で3番目の動物園として開園。約11haの園内には、ゾウ・ライオン・チンパンジーなどをはじめ、天王寺動物園でしか見ることのできないニュージーランドの国鳥・キーウィや、池の中の魚を捕って食べるスナドリネコ、人気者のコアラなど、およそ230種900点を越える動物が飼育されている。
同園では現在、動物の生息地の環境を可能な限り再現し、そこに暮らす動物の様子を紹介する「生態的展示」の実施を進めている最中。例えば、生息地の現地調査を踏まえた爬虫類生態館「アイファー」や、日本初の水中透視展示プールを有するカバ舎、アフリカのサバンナを再現したサイ舎、アジアの森を再現したゾウ舎などがそれにあたる。また、土日には飼育員によるレクチャーや、園長による動物講座なども実施している。
天王寺動物園の概要 天王寺動物園は1915年(大正4年)に日本で3番目に開園した動物園です。約11ヘクタールの敷地には、ゾウ、ライオン、チンパンジー、ニュージーランドの国鳥キーウィ、スナドリネコ、コアラなど、230種900点を超える動物が飼育されています。 ## 生態的展示 現在、天王寺動物園では動物の生息地の環境を再現し、動物たちの様子を紹介する「生態的展示」を進めています。例として、爬虫類生態館「アイファー」や水中透視展示プールを持つカバ舎、アフリカのサバンナを再現したサイ舎、アジアの森を再現したゾウ舎などがあります。また、土日には飼育員によるレクチャーや園長による動物講座も実施されています。 ## 天王寺動物園の歴史 天王寺動物園は大阪府大阪市天王寺区の天王寺公園内に位置し、1915年(大正4年)1月1日に開園しました。日本で3番目に長い歴史を持つ都市型総合動物園で、2006年7月16日には総有料入園者数が1億人を超えました。これは国内では恩賜上野動物園に次いで2番目です。 ## 主な展示施設 ### 北園 - **爬虫類生態館「アイファー」**: オオサンショウウオやヨウスコウワニなどを展示。 - **アフリカサバンナゾーン**: ライオン、アミメキリン、ブチハイエナなどを展示。 - **カバ舎**: 水中透視展示プールを有し、ナイルティラピアやエジプトガンも飼育。 - **サイ舎**: クロサイを飼育。 - **コフラミンゴ舎**: コフラミンゴを飼育。 - **猛禽舎**: キガシラコンドルなどを飼育。 - **トラ舎**: 以前はアムールトラを飼育。 - **オオカミ舎**: チュウゴクオオカミを飼育。 - **大型ネコ科動物舎**: ジャガーを飼育。 - **ヤマネコ舎**: 現在はホンドタヌキ、ニホンアナグマを飼育。 - **レッサーパンダ舎**: シセンレッサーパンダを飼育。 - **ムフロン舎**: ムフロンを飼育。 - **コウノトリ舎**: ニホンコウノトリを繁殖。 - **ツル舎**: ナベヅルやタンチョウを飼育。 - **鳥のセカイ**: 多様な鳥類を展示する施設。2023年11月21日オープン。 - **仮チンパンジー舎**: リニューアル中の一時収容施設。 ### 南園 - **アジア熱帯雨林ゾーン**: アジアの熱帯雨林を再現。現在は改修中。 - **夜行性動物舎**: キタジマキーウィなどを飼育。 - **鳥の楽園**: 3200平方メートルのエイビアリー。 - **サルヒヒ舎**: ドリルなどを飼育。 - **旧コアラ館**: 現在はエミューを飼育。 - **ホッキョクグマ舎**: 戦前からの歴史ある獣舎。 - **クマ舎**: マレーグマ、メガネグマを飼育。 - **ふれんどしっぷガーデン**: ヤギ、ヒツジ、モルモットなどと触れ合える施設。2022年4月27日オープン。 - **ペンギンパーク&アシカワーフ**: フンボルトペンギンとカリフォルニアアシカを展示。2023年4月26日オープン。 その他にも多くの動物が飼育されています。
## その他の施設 ### TENNOJI ZOO MUSEUM - **標本展示コーナー**: 天王寺動物園で飼育していたアジアゾウのユリ子の全身骨格標本と半身のレプリカ、絶滅危惧種の剥製や解説を展示。 - **見せる収蔵庫**: 普段は見られない約280点の剥製標本をガラス張りの収蔵庫に配置し、定期的に入れ替えて展示。 - **だいしんワクワクホール**: 講演や大規模スクールが開催可能な定員240名の多目的ホール。 - **その他の施設**: 子ども向けの図書を中心としたキッズライブラリー、ワークショップ等が開催可能な実験・作業室、多目的室など。 ### FooZoo・GooZoo - **FooZoo**: キリン柄のキリンドッグや「ディッピンドッツ」のホッキョクグマクレープなど、天王寺動物園オリジナルメニューが楽しめる。 - **GooZoo**: 天王寺動物園でのみ飼育されているキーウィのぬいぐるみなどオリジナルグッズが購入できる。 - **授乳室**: 幼児用ベッドや給湯器などを備えた授乳スペース。 ## 天王寺動物園の特徴 ### 商業主義とレクリエーション性 天王寺動物園は開園当初から「動物の研究」と「種の保存」という本来の目的よりも、商業主義的なレクリエーション性を重視していました。これは、周辺の動物園を併設した遊園地との競争のためでした。 その代表例が1932年に来日したチンパンジーの「リタ」で、三輪車や竹馬に乗ったり、フォークとナイフを使って食事をするなどの芸を披露し、人気を博しました。しかし、第二次世界大戦中には軍服やガスマスク姿で戦意高揚の広告塔となり、動物たちの殺処分も行われました。この経験から、現在は動物に芸を仕込むことは行っていません。 ### 戦後の取り組み 戦後もレクリエーション施設としての魅力を維持し、珍獣の「ライガー」や「タイゴン」の展示などを行いました。しかし、1970年代以降は本来の動物園の姿に転換し、キーウィやドリル、シシオザル、アムールトラ、クロサイ、ツル類、ニホンコウノトリ、ホオアカトキ、ヨウスコウワニなど希少動物の繁殖に力を入れています。特にナベヅルの飼育繁殖実績が評価され、国際血統登録を担当しています。 ### ZOO21計画と生態展示 1990年代後半から「ZOO21計画」が推進され、生態展示に重点を置くようになりました。これにより、爬虫類生態館「アイファー」、水中観察プールを有するカバ舎、アフリカサバンナゾーン、アジアの熱帯雨林ゾーンなどが開設されました。 ### 絶滅危惧種の展示 2006年11月3日から5日に行われた「絶滅の危機にある動物展」では、絶滅したニホンアシカの剥製が初めて一般公開されました。
9:30~17:00
毎週月曜日(休日にあたる場合は翌日)
大人 500円
小・中学生 200円
未就学児(幼児)無料
地下鉄堺筋線「動物園前駅」より徒歩5分