高さ300mを誇る日本初の超高層ビル
あべのハルカスは、開業当時、高さ300mを誇る日本一高いビルとして大きな注目を集めました。その後、東京都港区の麻布台ヒルズ森JPタワーが高さ325mで完成したことで日本一の座は譲りましたが、日本初の高さ300m超の超高層ビルとして、その存在感は現在も際立っています。
高さだけでなく、商業施設や文化施設、ホテル、オフィスなどを一体化した複合都市拠点として整備されていることも、あべのハルカスの大きな特徴です。
阿部野橋ターミナルビルの建て替えから誕生
あべのハルカスの開発は、近鉄の前身である大阪鉄道の阿部野橋ターミナルビル旧本館(西館)の建て替え計画を出発点としています。
当初は航空法によって建物の高さが295mに制限されていましたが、2007年の規制緩和を受けて、計画は高さ300mへと変更されました。総事業費は約1,300億円にのぼり、2010年に着工。2014年3月にグランドオープンを迎えました。
一つのビルに集まる多彩な施設
あべのハルカスには、買い物から観光、アート、宿泊まで幅広い用途に対応する施設が集まっています。
あべのハルカス近鉄本店
あべのハルカス近鉄本店は、地下2階から地上14階まで広がる大規模な百貨店です。ファッションやコスメ、食品、ギフトなど幅広い商品がそろい、大阪でのショッピングを楽しめる主要施設となっています。
大阪マリオット都ホテル
高層階には大阪マリオット都ホテルが位置しています。高層階ならではの眺望を楽しみながら滞在でき、大阪観光の宿泊拠点としても利用されています。
あべのハルカス美術館
あべのハルカス美術館では、さまざまなテーマの展覧会が開催されます。大阪観光の途中に芸術や文化に触れられる施設として、ショッピングや展望台とは異なる楽しみ方を提供しています。
高層階に広がるオフィス
中層階には企業のオフィスが設けられており、あべのハルカスは観光施設だけではなく、大阪のビジネス拠点としても機能しています。
展望台「ハルカス300」で大阪を一望
観光スポットとして特に人気が高いのが、58階から60階に設けられた展望台「ハルカス300」です。地上約300mの高さから、大阪市街を大きく見渡すことができます。
天候に恵まれれば、大阪市内だけでなく神戸方面や奈良方面まで望むことができます。高層ビルが立ち並ぶ都市の景色を上空から眺めることで、大阪の街の広がりを実感できるでしょう。
昼と夜で異なる展望の魅力
昼間は大阪の街並みや遠くの山々まで見渡せる開放的な眺望が楽しめる一方、夜になると街に灯りがともり、きらめく大阪の夜景が広がります。
ショッピングや美術館めぐりとあわせて訪れるのはもちろん、大阪旅行の最後に夜景を眺めるなど、時間帯によって異なる魅力を楽しめる展望スポットです。
三段階にセットバックした特徴的なデザイン
あべのハルカスの外観は、世界的な建築家シーザー・ペリが監修したデザインが特徴です。建物は三段階にセットバックする構造となっており、ガラス張りの外装と組み合わせることで、現代的で開放感のある姿を生み出しています。
設計は竹中工務店が担当し、施工には奥村組や大林組なども参加しました。遠くから眺めても存在感があり、阿倍野・天王寺の街を象徴する建築物となっています。
環境に配慮した超高層建築
あべのハルカスでは、高層建築としての機能だけでなく環境への配慮も重視されています。建物中央に設けられた「ボイド空間」は、自然光や風を取り込むことで、建物内の環境負荷やエネルギー消費の抑制につなげています。
さらに、百貨店やホテルなどから出る生ごみを活用したバイオガス発電システムも導入されています。建物から出る廃棄物をエネルギーとして再利用することで、環境負荷の軽減を図っています。
複雑な都市環境の中で進められた建設工事
あべのハルカスの建設現場は、道路や鉄道が複雑に入り組んだ都市の中心部でした。そのため、建設工事には高度な技術と綿密な計画が求められ、施工関係者からも非常に難しい現場として認識されていました。
各分野の専門家が集まり、さまざまな検証を重ねながら工事が進められました。超高層建築を都市の中心部に建設するための施工技術そのものも、あべのハルカスを語るうえで重要な要素となっています。
耐震技術と「逆打ち工法」
建物には最新の耐震・免震技術が取り入れられ、大規模な地震に備えた構造が採用されています。また、地下部分の施工には「逆打ち工法」が用いられました。
これは地下部分の工事と地上部分の工事を並行して進める施工方法で、都市部の限られたスペースを有効に活用しながら工期の効率化を図ることができます。巨大な超高層ビルを都市の中心に建設するための、さまざまな工夫が凝縮されています。
「ハルカス」に込められた意味
「ハルカス」という名称は、古語の「晴るかす」に由来し、「人の心を晴れやかにする」という意味が込められています。
阿倍野という地域の名前を全国に広めることも意識して名付けられたもので、現在では「あべのハルカス」という名称そのものが阿倍野・天王寺エリアを象徴する存在となっています。
そのデザインや都市景観への貢献も評価され、2017年にはグッドデザイン賞を受賞しています。
大阪観光の拠点として訪れたいランドマーク
あべのハルカスは、高さ300mという規模だけでなく、百貨店、ホテル、美術館、オフィス、展望台などが一体となった大阪の新しい都市拠点です。
ハルカス300からの大パノラマを楽しんだり、百貨店でショッピングをしたり、美術館で芸術に触れたり、ホテルでゆっくり過ごしたりと、一つの場所で多彩な時間を過ごせます。
大阪の街を上空から眺める観光スポットとしてはもちろん、阿倍野・天王寺エリアを巡る際の拠点としても訪れたい、大阪を代表するランドマークです。
アクセス
近鉄南大阪線「大阪阿部野橋駅」に直結しており、JR西日本・Osaka Metroの「天王寺駅」からもすぐの場所にあります。各方面からアクセスしやすく、大阪観光の途中にも立ち寄りやすい便利な立地です。