蔵王温泉の特徴
蔵王温泉は強酸性の硫黄泉で、その泉質は酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉(酸性泉)です。源泉温度は45~66度で、豊富な湯量と強酸性の泉質が特徴です。
5つの源泉群から分かれる47の源泉があり、湯量は毎分約5,700リットル、1日約8,700トンです。強酸性の泉質で、皮膚病に高い効能があるとされています。また、肌を白くする効能から「姫の湯」とも呼ばれます。
効能
殺菌作用: 硫黄泉には強力な殺菌作用があり、皮膚を強くする効果があります。
美肌効果: 「美肌の湯」「美人づくりの湯」とも呼ばれ、肌を美しくする効果が期待されます。
血行促進: 血行を促進し、心臓や便秘、糖尿病などにも効果があります。
共同浴場
蔵王温泉では、気軽に温泉を楽しめる3つの共同浴場があります。それぞれが徒歩3分圏内に位置し、湯めぐりがしやすい環境です。
上湯
下湯
川原湯
蔵王の観光スポット
蔵王連峰
蔵王連峰は宮城県と山形県の境に位置し、国定公園にも指定されています。夏には火口湖「蔵王の御釜」の神秘的な美しさを楽しむことができます。
冬の蔵王
冬の蔵王は東北最大級の規模を誇る蔵王温泉スキー場と、スノーモンスターと呼ばれる「蔵王の樹氷」が魅力です。樹氷のピークは1月から2月で、地蔵岳山頂付近で見ることができます。スキーやスノーボードをしなくても、蔵王ロープウェイに乗れば樹氷の観賞が楽しめ、樹氷ライトアップなどのイベントも開催されます。
大露天風呂
蔵王温泉街の一番奥に位置する大露天風呂は、4段階段式で、すべて合わせると100畳もの広さがあります。上流の2段が女性用、下流の2段が男性用で、合計200名が同時に入浴できます。営業時間は6時から19時までで、12月から4月の冬期間は休業します。
蔵王温泉の歴史
蔵王温泉の名の由来は「刈田嶺神社(蔵王町遠刈田温泉)」に関連しています。伝説によると、西暦110年頃、日本武尊に従った吉備多賀由(キビノタガユ)によって発見されました。この発見により、高湯(たかゆ、山形弁ではたがゆ)と呼ばれるようになったといわれています。蔵王温泉には古代から酢川温泉神社が祀られていました。1855年(安政2年)の『東講商人鑑』には、「羽州村山郡最上高湯温泉之図」が掲載されています。
大正時代から昭和時代
大正末年には、蔵王温泉に17軒の旅館があり、年間13万人の入浴客が訪れていました。1950年(昭和25年)、毎日新聞社主催の「新日本観光地百選」で山岳部門1位に選ばれました。これにより、南村山郡堀田村は蔵王村に改称され、高湯も蔵王温泉に改称されました。
山形市が1954年(昭和29年)に東沢村を編入合併し、1956年(昭和31年)には蔵王村も編入合併したため、蔵王温泉は市内の秘湯として名声を得ました。1962年(昭和37年)には蔵王エコーラインが開通し、1963年(昭和38年)には蔵王連峰が蔵王国定公園に指定され、1964年(昭和39年)には日本百名山の一つに蔵王山が選ばれるなど、観光地として注目されました。
バブル期とその後
高度経済成長により、蔵王温泉は高原保養地として施設が拡充され、蔵王温泉スキー場も大型化しました。バブル景気前後には道路や新幹線の開通が相次ぎ、アクセスが飛躍的に向上しました。近年では、仙台空港の国際線を利用する外国人客の増加が顕著で、2006年(平成18年)には山形市の外国人観光客の約2/3が蔵王温泉地区を訪れています。特に韓国人スキー客が多く、全国1位の来訪者数を誇ります。
名所・旧跡
蔵王温泉大露天風呂
共同浴場: 上湯、下湯、川原湯
酢川温泉神社
ヒュッテ・ヤレン: 旧白洲次郎山荘
鴫の谷地沼
盃湖
山形酒のミュージアム
名物
稲花餅(いがもち)
こしあんを餅で包んだ菓子。
からから汁
里芋と豚肉を使った酒粕入りの汁で、地元の飲食店を営んでいた西村重太郎の協力を得て開発されました。当初の名称は「蔵王権現からから汁」で、スキーで山形に滞在中だった岡本太郎も命名に協力しました。