史跡 城輪柵跡
昭和6年に発見された城輪柵跡は、一辺が約720メートル、総面積52ヘクタールの広大な遺跡です。平安時代の出羽国の国府跡とされています。国から史跡として、昭和7年に指定、昭和56年に追加指定を受けました。現在は政庁南門、東門および築地塀の一部が復元され、歴史公園として親しまれています。
遺跡の外郭は一辺約720メートルの方形をなし、その各辺中央に八脚門を構え、各四隅に小さな櫓状遺構を配しています。遺跡の中心部は自然堤防を核として整地され、周辺より1メートル程高い。一辺約115メートルの築地塀で囲まれた政庁は正殿、後殿、東西両脇殿等の主要殿舎群が「コ」字形に配置されています。
遺構
城輪柵は山形県庄内地方北部の荒瀬川扇状地に位置し、一辺約720メートルの築地塀で区切られた正方形の外郭と、その中央に一辺約115メートルの築地塀で囲まれた政庁（内郭）部分から成る、総面積52万平方メートルの遺跡です。
外郭の各辺中央にある門からは、政庁中心に向かって幅9メートルの大路が伸び、政庁の配置もこれに合わせた律令制官衙様式となっています。内郭の東西南北各築地の中央には八脚門が開いていました。
政庁遺構は建築様式において大きく4期に分けられます。前半2期では掘立柱建物が、後半2期では礎石建物へと変わります。また、4期では板塀から築地塀へと変化が見られます。
城輪柵跡は、8世紀後半に造営されたと推定されています。当時は蝦夷との戦いが激化しており、出羽国府は重要な役割を果たしていました。平安時代初期になると、出羽国府は現在の秋田市に移転し、城輪柵跡は廃されました。