胴腹滝は、高さ約3メートルの潜流瀑です。鳥海山の伏流水が山腹から湧き出る様子から名付けられました。身体の「どうっぱら」から湧き出る滝という意味です。一・二ノ滝渓谷に向かう途中、杉の木立が照り続ける陽射しをさえぎり、山の斜面から豊かな清水が湧き出しています。滝は不動尊を真ん中にして、岩の裂け目から左右に二筋の滝が流れています。
ミネラル成分もたっぷり含まれており、右と左の水は水質が違い味が違うと言われています。地元の人たちは、自分の好みに応じて右の水を汲む人、左の水を汲む人、半分ずつ混ぜる人に分かれています。一年中凍ることなく、年間を通して多くの人が水を汲みに訪れます。この湧水は殺菌されていない自然水です。
杉林の中に小さな社があり、その社を挟んで二つの滝が流れ出しています。周囲は流れの中に苔むした石が多数あり、数々の石仏が幽玄で神秘的な雰囲気を醸し出しています。山深く雪も多いですが、冬でも凍ることなく、年中水汲みの人が絶えません。
遊佐駅から東に7.5kmほど進むと、欝蒼とした杉林の奥に胴腹滝があります。遊佐町役場付近から月光川に沿って県道60号線を7kmほど上り、内水面水産センターを過ぎて400mほど進むと、左側に大型車が5台ほど駐車できる駐車場があります。駐車場から胴腹滝までは林の中を5分ほど歩きますが、杉林を進むと滝の音が聞こえてきます。案内板には、体に良い水であり安産の神としても崇められていると記載されています。山形県里山環境保全地域第1号に指定された場所でもあります。案内板から林の中を右方向に100mほど入ると「胴腹滝」が見えます。