辰野金吾が設計した荘厳な建築
現在の建物は、1912年に竣工しました。設計を手がけたのは、赤レンガの東京駅などを設計したことで知られる辰野金吾です。
建物は煉瓦を積み上げてモルタルを塗った2階建てで、ルネッサンス様式を基調としています。屋根には特徴的な5つの緑色のドームが並び、小樽の歴史的な街並みに印象的な景観をつくり出しています。
銀行としての面影を残す館内
館内には、かつて日本銀行小樽支店として使用されていた当時のデザインや構造が随所に残されています。
ロビーや営業場のカウンターには岐阜県赤坂産の大理石が使用され、煉瓦の壁と鉄骨を組み合わせた営業場には、広々とした吹き抜けの空間がつくられています。
内壁には、アイヌの守り神とされるシマフクロウをモチーフとした塑像も設けられており、建物の歴史と地域文化を感じさせる特徴的な装飾となっています。
3つの展示ゾーンで金融の世界を学ぶ
資料館の展示は、主に歴史展示ゾーン、業務展示ゾーン、マルチメディアコーナーの3つに分かれています。日本銀行の歴史から金融の仕組みまで、幅広いテーマを分かりやすく紹介しています。
日本銀行の歴史を紹介する歴史展示ゾーン
歴史展示ゾーンでは、日本銀行の歴史をパネルなどで紹介しています。第二次世界大戦以降に発行された紙幣の実物も展示されており、日本の貨幣や金融の歴史を身近に感じることができます。
また、旧小樽支店の建物をはじめ、小樽が「北のウォール街」と呼ばれていた時代の主要な建造物を再現したミニチュア模型も見どころです。かつての小樽の金融街の姿をイメージしながら見学できます。
銀行の仕事を知る業務展示ゾーン
業務展示ゾーンでは、日本銀行が担っている主要な業務について紹介しています。紙幣が発行されるまでの流れや、金融システムの仕組みなどをパネル展示で学ぶことができます。
実際に使用されていた金庫も公開されており、銀行ならではの設備を間近で見られるのも特徴です。
「1億円を持ち上げてみよう」でお金の重さを体感
業務展示ゾーンの人気コーナーの一つが、「1億円を持ち上げてみよう」です。実際の紙幣ではありませんが、1億円相当の重さを持ち上げる体験を通して、普段は意識することのない大金の重量を体感できます。
そのほか、世の中に出回っているお金の量や数字を通して、金融と経済の動きについて考えられる展示も用意されています。
映像やクイズで楽しく学べるマルチメディアコーナー
マルチメディアコーナーでは、大型ビジョンを使った映像などを通して、さまざまな金融知識を学ぶことができます。
日本銀行に関する情報を閲覧できるインターネットコーナーのほか、金融や日本銀行についての知識を試せる「にちぎんクイズ」もあり、子どもから大人まで楽しみながら学べます。
小樽の「北のウォール街」を感じる歴史スポット
小樽はかつて北海道の経済や金融の中心地として発展し、銀行や商社などの歴史的建築が集まる街並みが形成されました。日本銀行旧小樽支店は、そうした小樽の歴史を象徴する建物の一つです。
資料館を訪れた際には、館内の展示だけでなく、周辺に残る歴史的な建築物にも目を向けると、小樽が歩んできた歴史をより深く感じられます。
建築と金融史を一度に楽しめる小樽の名所
日本銀行 旧小樽支店 金融資料館は、辰野金吾が設計した美しい歴史建築と、日本の金融の歴史を同時に楽しめる観光スポットです。
重厚なロビーや吹き抜けの営業場、シマフクロウをモチーフにした装飾など、建築そのものにも見どころがあります。さらに、紙幣や金融システムに関する展示、金庫の見学、1億円の重さを体験できるコーナーなどを通して、難しく感じやすい金融の世界を身近に学ぶことができます。