大阪名産の水なすの古漬けと大阪湾の新鮮海老じゃこを炊き合せたもの。大阪・泉州の郷土料理で、昔は豊作の年は余った水なすを糠(ぬか)漬けにし、保存食としていた。ただ放っておくだけ、という手間暇要らずの食材であり、大阪湾の海老じゃこが大漁に獲れタダ同然となった日に、どぼ漬け(水なすの古漬け)とともに同じ釜で煮込まれることとなる。醤油とわずかな砂糖でもとても美味しい。タダ同然の絶品はこうして生まれ、厳しい時代を勝ち抜いてきた庶民の知恵から生まれた料理である。
泉州地域の伝統料理で、泉州水なすをぬか床でじっくり漬け込み、その後塩を抜いて、小海老と一緒に甘辛く炊き上げたものです。一部の地域では「じゃこなす」とも呼ばれます。
泉州地域では、「じゃこ」とは小海老を指し、「こうこ」とは漬物を指します。泉州地域の小海老は、大阪湾で獲れる芝海老に似た種類で、だしが豊かなのが特徴です。一方で、泉州地域では夏野菜である水なすを夏以外でも楽しむために、塩分の多いぬか床で漬け込んで保存食として使ってきました。2~3ヶ月漬け込むことで、発酵が進んで古漬けができ上がります。海老じゃこと古漬けを組み合わせて炊いたじゃこごうこは、海老の風味が水なすに染みこみ、ご飯やお酒によく合います。また、カルシウムやたんぱく源としても優れた常備菜です。