山号は荒陵山、本尊は愛染明王で、愛染堂とも呼ばれる寺院。四天王寺別院であり、西国愛染十七霊場の第1番札所でもあります。多宝塔は大阪市内最古の木造建造物です。
伝承によると、聖徳太子が開いた四天王寺にある敬田院、施薬院、療病院、悲田院のうちの施薬院に始まると伝えられ、施薬院という名称から、薬草を栽培し、人々の健康に役立てるために設けられた福祉施設であったことがうかがえます。
施薬院に勝鬘夫人の像が祀られていたことから、勝鬘院と呼ばれるようになったとされます。
平安時代以降は、愛染明王が金堂の本尊として祀られるようになり、勝鬘院は愛染堂とも呼ばれるようになりました。
鎌倉時代には鎌倉幕府5代執権の北条時頼から寺領を寄進され、13世紀末には忍性によって真言院が創建されました。
織田信長と大坂本願寺による石山合戦によって伽藍が焼失しましたが、豊臣秀吉によって伽藍が復興され、多宝塔が再建されました。
大坂夏の陣によって再び戦火に遭いましたが、江戸幕府将軍の徳川秀忠によって金堂が再建されました。
1945年の大阪大空襲によって、東側の四天王寺がほぼ全焼してしまう被害を受けましたが、当院は被害を免れました。
当院には、1618年に徳川秀忠によって再建の金堂や、聖徳太子が安置した六万体の地蔵菩薩のうちの一つとされる延命地蔵尊、1597年に豊臣秀吉により再建された多宝塔(国の重要文化財)、川口松太郎の小説「愛染かつら」に出てくる愛染かつらの木などがあります。
また飲むと愛が叶うといわれる「愛染めの霊水」があり、若い女性に人気。
毎年6月30日、7月1・2日には、大阪の三大夏祭りのひとつとして有名な愛染祭が行われます。
9:00~16:30
年中無休
参拝・拝観無料
地下鉄谷町線「四天王寺前夕陽ヶ丘駅」より徒歩2分