四角や三角の揚げがのせられた“きつねうどん”は商人の街、そしてくいだおれの街大阪が発祥。大阪うどんは、讃岐うどんとは違い、切り口が丸くモチモチした食感が特徴で、つゆはカツオをベースに店独自の味を競いあっている。大阪では、貿易船が寄港する街として、北前船が昆布などの旨い出汁を作る食材を豊富に運んできたため、出汁作りが発達したそう。香り豊かなだし汁に大阪うどん、こだわりのお揚げさんをのせた三位一体の味わいをぜひ。
きつねうどん
真昆布と鯖節を主成分としただしを使い、それをうどんにかけて、その上に甘辛く煮た油揚げをのせた料理です。大阪うどんは、だしによく馴染むことと、太すぎずもっちりとした食感が特徴とされています。特にきつねうどんは、大阪府の人々にとって非常に愛されている料理で、その人気は高いと言えます。
麺類、例えばうどんやそばは、もともとは寺社で特別な食事として提供されていましたが、後には日本中で一般的な日常の食事として広まりました。
大阪におけるうどんの歴史は古く、豊臣秀吉が大阪城を築く際には、現在の大阪市西区新町周辺にうどんやそばの店が立ち並んでいたと言われています。その後、江戸時代中期にはうどんが広まり、商業が繁盛し、「天下の台所」とも呼ばれるほどでした。
北前船の航路が整備されると、北海道からの昆布や小麦粉、塩など、さまざまな食材が集まり、選りすぐりの材料を使用してうどんが作られました。
明治時代初期には、大阪では多くの製麺所が現れ、麺を仕入れる店も増えました。一方で、店や家庭ではだしやつゆの味に独自の工夫を凝らすことが一般的でした。
明治26年、船場のうどん店「松葉家(現在のうさみ亭マツバヤ)」で、油揚げを添え物として提供し、客がそれを素うどんにのせて食べたことから、きつねうどんが生まれたと言われています。
大阪府の人々は、だし文化とコナモン(粉食)文化に強い愛着を持ち、その二つを楽しむのに最適なのがきつねうどんです。これは大阪府民の大好物であり、シンプルで美味しい料理として楽しまれています。