鎌倉時代に作り始めたと言われる”燻(いぶ)り豆腐”は、全国でも珍しい豆腐の薫製。当時の岐阜県母袋(もたい)地区には鎌倉街道が通り、多くの旅人が往来しており、体力を使う旅に備え、栄養豊富で日持ちが良く、手軽に持ち運べる食品として開発されたのが燻り豆腐である。桜のチップ材を使って芳醇さが香るように燻された豆腐は、表面に塗ってある味噌が馴染んで、ほんのりとスモークチーズのような濃厚な味わいになる。そのまま酒肴として、また、しょうゆ・わさび・マヨネーズなどをつけても相性が良く、様々な味わい方で楽しめる。