富士五湖のひとつ西湖の付近にある、コウモリの棲息地として知られる溶岩洞穴。
総延長は386.5メートルあり、富士山麓に多数ある溶岩洞穴の中でも規模が大きく、洞穴の内部は複数の支洞が迷路状に発達した立体的な構造をしている。
国の天然記念物に指定。
洞穴の形成
富士山の800年の噴火と864年の大噴火で溶岩流が本栖湖から西湖まで1つの広大な湖だった辺り一帯を覆い、溶岩洞穴が形成された。
湖を埋めた末端近くの場所であるため、大量の熔岩流が湖に流れ込んだ際、沸騰した湖水からガス化した水分の補給を受けることにより、複数の空洞が連結して立体的かつ迷路状の複雑な構造になった。
洞内にはマグマが固まる際に形成された、溶岩ドーム、縄状溶岩、溶岩棚など、溶岩洞穴特有の形状が多数見られる。
コウモリ
西湖コウモリ穴内部の温度は、富士山麓にある他の溶岩洞穴と異なり、季節を通じて温暖であるため、古くから多数のコウモリが冬眠のため生息していた。
誰でも自由に立ち入ることができたため、当穴のコウモリは一時絶滅寸前になり、保護をするため、洞穴の出入口に鉄格子による防護柵が設置され入洞が制限された。
洞穴最奥部の2ヶ所はコウモリの保護区域として木製の防護柵が設けられ、一般公開された。
毎年12月1日から翌年3月19日までの冬季期間中はコウモリ保護のため一般の入洞は禁止している。
保護活動により徐々にコウモリが戻りつつある。
樹海
富士山北西麓に広がる青木ヶ原樹海の北東端にあたり、富士箱根伊豆国立公園の特別地域に指定された昼でも暗い深い原生林の中にある。
木々が密生していて、太陽光が樹下に入らず、草木類はほとんど生育せず地表は一面コケ類に覆われている。
富士山の噴火の溶岩流の上に森林が形成されて、青木が原樹海となった。
床面は柔らかい泥のように見えるが、固まった硬い溶岩。
西湖ネイチャーセンター
クニマス展示館や富士山、青木ヶ原樹海などについてのギャラリーとなっている。
3月20日~11月30日 9:00~17:00
大人 300円
小中学生 150円
富士急行線河口湖駅からバスで34分、西湖コウモリ穴バス停下車すぐ
中央自動車道河口湖ICから20分