富士山に降った雨雪が20年以上かけて大地にしみ込み、湧き出している8か所の湧泉群。
水は、どこまでも透き通り、覗くと驚くほど青い。
国指定の天然記念物、名水百選に選定されている。
「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産の一部として世界文化遺産に登録。
富士山の伏流水および杓子山から石割山にかけての山麓からの伏流水を水源とし、新富士火山の透水層の地下水及び古富士山の不透水層部より下方の透水層のうち水圧の高い地下水が湧きだしている。
忍野八海からの湧水は新名庄川に流れて、山中湖を水源とする桂川へと合流する。
湧池
八海で湧水量が最も多く、透明度が高い湧池。
揺れ動く水面や深い水底の景観が美しく、多くの人々が訪れる忍野八海を代表する池。
景観も良く、周囲には茅葺屋根の水車小屋やみやげ店が立ち並ぶ。
珪藻土層でなる水中洞窟を持ち、池の底から最奥部まで約55メートルある。
周辺住民の飲用水としても利用されている。
忍野八海(おしのはっかい)は、山梨県南都留郡忍野村にある湧水池の総称です。富士山の雪解け水が地下に浸透し、20年以上かけて湧き出ることで形成されるこの八つの池は、その美しさと透明度の高さで知られています。忍野八海は、「日本名水百選」や「国指定名勝」にも選ばれており、多くの観光客が訪れる人気スポットです。
忍野八海の歴史は古く、平安時代にはすでにその存在が記録されていました。忍野八海という名前は、忍野村にある八つの湧水池を指しており、それぞれの池には独自の名前と伝説が伝わっています。かつては地域の住民が生活用水や農業用水として利用していましたが、現在ではその美しさと神秘的な雰囲気が観光名所として注目されています。
忍野八海は、出口池、御釜池、底抜池、銚子池、湧池、濁池、鏡池、菖蒲池の八つの池から成り立っています。それぞれの池は個性豊かで、異なる特徴を持っています。
出口池は忍野八海の中で最も大きな池で、その面積は約0.5ヘクタールに及びます。池の水は常に清らかで、池底がはっきりと見えるほどの透明度を誇ります。
御釜池は、かつて神聖な儀式が行われたとされる池です。周囲の景観と相まって、神秘的な雰囲気を醸し出しています。
底抜池はその名の通り、池底が見えないほど深く、澄んだ水が特徴です。この池は、水中の植物や魚たちの姿がはっきりと観察できるスポットとして人気があります。
銚子池はその形が銚子(古代の酒器)に似ていることから名付けられました。池の周りには美しい花々が咲き誇り、四季折々の風景を楽しむことができます。
湧池は、その名の通り、地下水が湧き出る様子が観察できる池です。特に夏の暑い日には、冷たい湧水に触れることができるため、多くの人々が訪れます。
濁池は、その水が他の池と比べて少し濁っていることから名付けられました。しかし、その水は依然として清らかで、魚たちが元気に泳いでいます。
鏡池は、その水面が鏡のように周囲の風景を映し出すことからその名が付けられました。晴れた日には富士山の姿が美しく映り込み、多くの写真愛好家が訪れます。
菖蒲池は、池の周りに咲く菖蒲の花が美しいことで知られています。特に6月から7月にかけての花の季節には、多くの観光客が訪れます。
忍野八海は、四季折々の自然の美しさを楽しむことができる観光スポットです。特に春の桜や秋の紅葉の季節には、多くの人々が訪れます。周辺にはお土産物屋や飲食店もあり、地元の特産品を楽しむことができます。
アクセスも良好で、車や公共交通機関を利用して訪れることができます。富士山の麓に位置するため、富士山観光と合わせて訪れるのもおすすめです。
近年、観光客の増加に伴い、環境保護の重要性が高まっています。訪れる際には、自然環境を守るためのマナーを守り、美しい忍野八海を次世代に引き継ぐことが求められます。
例えば、池の中にゴミを捨てないことや、植物を傷つけないことなどが挙げられます。忍野八海の美しさを保つために、一人ひとりが意識を持って行動することが大切です。
忍野八海は、自然の美しさと歴史的な価値を兼ね備えた魅力的なスポットです。八つの個性豊かな池を巡りながら、四季折々の風景を楽しむことができる忍野八海は、多くの人々に愛され続けています。
訪れる際には、環境保護の意識を持ちながら、美しい景色と歴史に触れる特別な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
富士山駅からバスで15分