九鬼山は、山梨県都留市と大月市の境に位置する標高970メートルの山で、相模川水系の桂川と秋山川にはさまれた秋山山稜にあります。山梨百名山の一つに数えられ、都留市二十一秀峰や秀麗富嶽十二景にも選定されている、景観の美しい山として知られています。標高はそれほど高くありませんが、山頂や途中の展望地からは富士山や周囲の山々、都留市街地などを一望できるため、登山者や観光客に人気の山です。
九鬼山の魅力の一つは、富士山の眺望に恵まれていることです。山頂からは大月方面の山々を見渡すことができ、山頂から少し下った「富士見平」からは、美しい富士山の姿を正面に見ることができます。都留市の街並みや中央自動車道、富士急行線などが富士山に向かって延びていく景色はとても印象的で、開放感のある景観が広がります。
また、池の山コースの途中にある展望台からは、リニアモーターカーの実験線の高架橋と富士山を同時に見ることができる珍しい景色も楽しめます。日本の最先端技術であるリニアモーターカーの実験線と、日本を象徴する富士山を同時に眺められる場所は非常に貴重で、多くの登山者が写真を撮る人気スポットになっています。
九鬼山には主に禾生駅側から登るコースと、田野倉駅側から登るコースがあります。どちらのコースも登山時間はおよそ2時間程度で、日帰り登山にも適した山として親しまれています。
禾生駅から国道139号を大月方面へ進み、落合橋を渡って九鬼集落に入ります。案内看板に従って進むと「愛宕神社コース」または「杉山新道」に入ります。杉山新道の途中には「リニア見晴台」があり、眼下にリニア実験線の高架橋を見ることができます。運が良ければ高速で走行するリニアモーターカーを見ることができるかもしれません。
両コースとも途中で富士見平に到着し、そこから山頂までは約3分ほどで到着します。比較的登りやすく、景色も良い人気のコースです。
田野倉駅側からは「池の山コース」と「札金沢コース」の二つのルートがあります。池の山コースは途中に展望台があり、富士山やリニア実験線を眺めることができる景色の良いコースです。一方、札金沢コースは馬立山へ続くルートですが、山頂手前にガレ場などの難所があり、体力に自信のある方向けのコースとなっています。
どちらのコースも尾根に出ると比較的なだらかな道が続き、自然の中をゆっくり歩く登山を楽しむことができます。
九鬼山には昔話で有名な桃太郎の伝説が残されています。伝説によると、大月市の百蔵山で生まれた桃太郎が、上野原市の犬目で犬を仲間にし、大月市の猿橋や鳥沢で猿とキジを仲間に加え、九鬼山に住んでいた鬼を退治しに来たといわれています。このように、九鬼山は昔話の舞台の一つとしても語り継がれており、歴史や伝説を感じながら登山を楽しむことができます。
九鬼山は標高970メートルと比較的登りやすい山でありながら、富士山や都留市街、リニア実験線、富士急行線などを一望できる眺望の良さが魅力です。首都圏からのアクセスも良く、日帰りハイキングや登山にも適した山として多くの人に親しまれています。
登山道の途中には展望スポットがいくつもあり、景色を楽しみながらゆっくり登ることができます。自然の中でリフレッシュしたい方や、富士山の景色を楽しみたい方には特におすすめの山です。
九鬼山は、美しい富士山の眺望、リニア実験線を望む珍しい景色、そして桃太郎伝説など、自然・景観・歴史・文化の魅力をあわせ持つ山です。標高はそれほど高くありませんが、見どころが多く、初心者から経験者まで楽しめる登山コースが整備されています。都留市を訪れた際には、ぜひ登ってみたい魅力あふれる山の一つです。