大根島は、静岡県の伊豆半島南端近くに位置する無人島です。富士箱根伊豆国立公園に属し、その美しい自然環境とユニークな地形で知られています。
大根島は、伊豆半島最南端の石廊崎から西北西約2kmに位置し、南伊豆町に属しています。外周は約1km、面積は0.0471平方キロメートル、海抜64mの頂上を持つ無人島です。島の周囲は石廊崎安山岩層の水中自破砕溶岩で構成され、ユニークな地質学的特徴を示しています。
島の西側は駿河湾、東側は南伊豆町中木地区から約1kmの位置にあり、最寄りの漁港は三坂漁港(中木地区)です。島の周囲には大小の岩礁や小島が点在しており、観光名所の「ヒリゾ浜」や「君掛根」などの岩島と共に、訪れる人々に素晴らしい景観を提供しています。
大根島周辺を巡る遊覧船は、伊豆クルーズが運航する「石廊崎岬めぐり」の一環として人気があります。このツアーでは、石廊崎港から出発し、ヒリゾ浜や大根島の周囲を約25分で一周します。大根島の独特な景観を海上から楽しむことができます。
大根島周辺は、イシダイやモロコなどが釣れる磯釣りの好ポイントとしても知られています。中木港から渡船が運行され、釣り客が訪れる人気のスポットとなっています。
周辺海域は透明度が非常に高く、サンゴや熱帯魚が生息する豊かな海中環境が広がっています。ダイビングやシーカヤックの愛好家にとっては、穴場的なスポットです。地元のダイビングショップでは、インストラクターのサポートを受けながら海中の魅力を体験できます。
大根島の名前は、釣り用語の「根」に由来するとされています。海中の岩礁や水面に現れた岩場を指し、その中でも大きなものを「大根」と呼ぶことから名付けられました。同じ名前を持つ島が他にも存在し、伊豆半島には複数の「大根」という無人島があります。
1964年ごろ、地元住民や観光業者が島を観光地化する目的でタイワンザルを導入しました。しかし計画は頓挫し、タイワンザルは島で放し飼いの状態となりました。その後、観光遊覧船の目玉として利用されていましたが、2005年にタイワンザルが特定外来生物に指定されると、餌やりなどの取り組みが問題視されるようになりました。
環境省の指導のもと、2012年までに全頭を殺処分する方針が決定されました。この決定に対して動物保護団体が抗議活動を行い、論争が続きましたが、最終的には環境保護と外来種管理の観点から処分が実施されました。
大根島は、その美しい自然や地理的特徴から多くの観光客を引きつけています。一方で、タイワンザル問題をはじめとする環境保護の課題にも直面してきました。今後も自然と人間活動の調和を図りながら、この特別な島を守っていく取り組みが求められています。