「かしわ」と呼ばれる鶏肉
関西地方では、食用の鶏肉を「かしわ」と呼びます。この呼び名は、鶏の茶褐色の羽色が柏の葉に似ていることに由来するといわれています。
かしわのすき焼きは、かつて奈良の祝い事に欠かせないごちそうでした。鶏肉に加えて、菜っ葉や松茸などを入れることもあり、松茸の豊かな香りと肉の旨味が野菜に染み込んだ、風味豊かな味わいが特徴です。
奈良のブランド鶏「大和肉鶏」
戦前には、肉質の良さで「大和のかしわ」が高い評価を受けていました。その味わいを復活させるために生み出されたのが、奈良県のブランド鶏「大和肉鶏」です。
大和肉鶏は、コクと旨味があり、適度な脂肪とほどよく締まった肉質が特徴です。鶏肉そのもののおいしさを楽しめるすき焼きにもよく合います。
鶏肉の旨味を味わう関西風の作り方
調理方法は、一般的な関西風すき焼きと同じです。熱した鉄鍋に鶏の脂をひき、鶏肉を焼いてから、砂糖・醤油・酒で味を付けます。肉に火が通ったら、好みの野菜や具材を加えて煮込みます。
具材には、白ネギや九条ネギ、ゴボウ、白菜、シイタケ、焼き豆腐、しらたき、麩、春菊などが使われます。鶏肉の旨味が具材や煮汁に広がり、食べ進めるほどに深い味わいを楽しめます。
食べる際には、溶き卵をつけるのが一般的です。温泉卵を合わせるのもおすすめです。締めにはうどんを入れるほか、奈良の名産である三輪素麺を加えて楽しむ食べ方もあります。
県内各地で親しまれる郷土の味
かしわのすき焼きは、奈良県内全域に伝わる郷土料理です。鶏肉を中心に、白菜、ネギ、しらたき、焼き豆腐、シイタケ、春菊など、身近な食材を使って作られます。
祭りや祝い事の食卓を彩ってきた、奈良の歴史と暮らしに根差した一品。鶏肉ならではの旨味と、野菜に染み込んだ甘辛い味わいをぜひ楽しんでみてください。