赤飯を鮮やかな桃色に染める「赤飯ささぎ」
赤飯ささぎは、小豆に比べて皮が硬く、煮ても豆が割れにくいのが特徴です。旧鶴岡市内では、小豆は煮ると皮が割れることから「切腹」を連想させるとして、縁起を担ぐ意味でも赤飯ささぎが使われてきたと伝えられています。
赤飯に使うと、豆から出る色によって米が美しい桃色に染まることから、赤飯の色付けとしても重宝されてきました。
長さ20~30cmにもなる珍しい莢
赤飯ささぎには、莢(さや)が20~30cmほどの長さになるという特徴があります。旧鶴岡市内や羽黒地区では古くから栽培されてきましたが、かつてはその多くが販売用ではなく、自家用として育てられていました。
地域の家庭で大切に受け継がれてきた、庄内ならではの在来作物のひとつです。
白ささぎと呼ばれる「らいまめ」
白ささぎは、莢が月のような形に見えることから「月豆(ゲットウ)」とも呼ばれるらいまめを指します。メキシコ原産の豆で、インゲンマメの仲間です。
赤飯ささぎとは対照的に、莢は10~15cmほどと比較的小さいのが特徴です。豆はソラマメをつぶしたような平たい形をしており、白ささぎは主に煮豆などにして食べられています。
自然と向き合う昔ながらの栽培
赤飯ささぎや白ささぎは、つるが伸びやすく風に弱いことを除けば、比較的手間のかからない作物とされています。しかし、晩秋まで畑で十分に乾燥させてから収穫するため、収穫を終えるまでにはカビなどの自然条件とのたたかいが続きます。
天候を見ながら丁寧に育て、最後まで自然と向き合うことが、良質な豆を収穫するために欠かせません。
庄内の食文化を伝える在来作物
赤飯ささぎ・白ささぎは、庄内の風土と暮らしの中で守られてきた貴重な在来作物です。赤飯を彩る赤飯ささぎと、煮豆などで親しまれる白ささぎは、それぞれ異なる特徴を持ちながら、地域の食文化を今に伝えています。
旬は6月から8月頃。昔ながらの豆とその食文化に触れることで、庄内の暮らしや歴史を身近に感じることができます。