出羽神社は標高414メートルの羽黒山の山頂に鎮座する神社です。祭神は伊氐波神と稲倉魂命で、出羽三山神社の一つです。
出羽国南部の庄内地方(山形県の日本海側)に位置する月山、羽黒山、湯殿山を総称して出羽三山と呼び、古くから山岳信仰の対象となってきました。出羽三山はそれぞれ、月山が過去、羽黒山が現在、湯殿山が未来を象徴するとされ、各山には月山神社、出羽神社、湯殿山神社が鎮座しています。
羽黒山は出羽三山の中心地であり、古神道だけでなく仏教などと融合した修験道の中心地の一つとしても知られています。羽黒山の随神門から始まる表参道は全長約1.7kmで、2446段の石段が続いており、その両側には樹齢350~500年の杉並木が400本以上立ち並び、国の特別天然記念物に指定されています。
杉並木の途中には国宝に指定された五重塔があり、高さ29メートル、素木造り、柿葺、三間五層の建築です。この五重塔は古くは瀧水寺の五重塔と呼ばれ、約600年前に再建されたと伝えられています。現在、五重塔だけが、塔は一の坂の登り口左手に優美な姿でそびえ建っています。
羽黒山の山頂には三神合祭殿、1618年に建立された羽黒山鐘楼、歴史博物館などがあり、1年を通じて参拝ができます。三神合祭殿は後方の本殿と前面の拝殿が一体となった複合建築で、1818年に再建されました。これは日本最大の藁茸木造建造物であり、国の重要文化財に指定されています。
随神門から石段を登って山頂まで片道約90分ほどかかりますが、羽黒山の裏参道として県道から羽黒山有料道路を利用すれば、車でも山頂に登ることができます。また、羽黒山五重塔へは随神門から片道約10分ほどです。
鶴岡駅からバスで50分 → 羽黒山頂から徒歩で5分