リバーウォーク北九州は、福岡県北九州市小倉北区に位置する大型複合商業施設であり、2003年（平成15年）4月19日にオープンしました。この施設は、商業施設や文化施設、オフィス棟などが一体となった複合施設であり、訪れる人々に多様な体験を提供しています。
リバーウォーク北九州は、北九州市の「ルネッサンス構想」の一環として進められた再開発プロジェクトの一部であり、紫川マイタウンマイリバー整備事業と連動して進行した室町一丁目地区第一種市街地再開発事業の成果です。施設の周辺には小倉城や紫川といった歴史的な景観が広がり、都市と自然の調和が感じられる環境です。
リバーウォーク北九州は、ジョン・ジャーディのデザインによる第一期事業として、サービス・商業ゾーン（ショッピングセンターデコシティ、シネマコンプレックス）と文化施設（北九州芸術劇場、北九州市立美術館分館）、そしてNHK北九州放送局や朝日新聞西部本社を併設した情報発信ゾーンを含む、地下2階地上15階の複合ビルとして完成しました。
さらに、第二期事業ではマイケル・グレイヴスのデザインによる大学棟（西日本工業大学デザイン学部が入居、地下1階地上11階）と、レクサス販売店「レクサス小倉」（地上4階）が新たにオープンしました。
リバーウォーク北九州は、複数のゾーンが独立した建物群の集合体として設計され、各建物には日本の伝統的な色彩美が取り入れられています。例えば「茶色」は大地を、「黒」は日本瓦を、「白」は漆喰壁を、「赤」は漆を、「黄色」は収穫前の稲穂を表現しています。このように、自然と文化の象徴的な色合いが建物に融合しています。
施設の南側には小倉城が隣接しており、リバーウォーク内からもその姿を望むことができます。施設内には通路や展望デッキ、オープンテラスがあり、ここから小倉城の美しい景観を楽しむことができます。ただし、リバーウォークの赤や黄色の建物が小倉城と対照的な色彩となり、城の背景としてやや異彩を放っている点も指摘されています。
リバーウォーク北九州は、北九州紫川開発、ラオックス、日本放送協会、朝日新聞社、西日本工業大学、北九州市などが所有する複合施設です。もともとは、百貨店の小倉玉屋やダイエー小倉店、小倉北区役所が所在していた場所であり、歴史的な背景を持つエリアでもあります。
デコシティは地上階の専門店街で、第三セクターである北九州紫川開発が所有しています。2003年の開業時から福岡地所が20年間のマスターリース契約で運営していましたが、2023年3月末をもって契約が終了しました。これにより、北九州紫川開発は新たな運営体制を構築し、東京建物グループのプライムプレイスがプロパティマネジメントを担当することになりました。契約期間は5年間で、新たなテナント誘致と施設再生が進められています。
デコシティには以下のような主要テナントが入居しています。
地下階にはかつてダイエー小倉店や家具店が入っていましたが、現在は食品スーパーのロピアやダイソーが入居しています。
北九州市立美術館分館は、リバーウォーク北九州の4・5階に位置し、様々なジャンルの展示が行われる美術館です。広大な敷地を持つ本館とは異なり、街中でアートを楽しむことができる身近な美術館として、多くの来館者を迎えています。
北九州芸術劇場は、リバーウォーク北九州内にある劇場で、演劇や音楽公演など多目的に利用される施設です。大ホールは1269席、中劇場は700席を有し、演劇専用のホールとして地域の文化活動を支えています。2023年にはジェイコム九州とのネーミングライツ契約により「J:COM 北九州芸術劇場」として新たなスタートを切りました。
リバーウォーク北九州は、商業、文化、情報発信の拠点として北九州市の中心部に位置し、その多彩な施設と魅力的なデザインが多くの人々を引きつけています。地域の歴史や景観との融合を目指したこの施設は、今後も新たなテナントやイベントを通じて、さらなる発展を遂げていくことでしょう。