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小倉城

(こくらじょう)

唐造りの天守閣が美しい北九州のシンボル

1602年、細川忠興公が約7年の歳月を経て築上した小倉のシンボル。初期天守の望楼に通じる外観構造「唐造り」の名城として知られており、現在は高度な技術を駆使した展示などが人気。

小倉城には桜、ツツジが多く、夜は照明がついて夜間にくっきりと浮かびあがる。月見櫓の前では月見の会や菊花展など季節の美しい催しが開かれる。

日没後~22時までライトアップしている。

概要

小倉城は、福岡県北九州市小倉北区に位置する歴史的な城です。別名として、勝山城、勝野城、指月城、湧金城、鯉ノ城などがあり、多くの名を持つ城としても知られています。1602年に細川忠興公によって築城され、その後、小笠原氏や他の藩主によって引き継がれました。江戸時代には、豊前国(現在の福岡県と大分県の一部)を治める拠点として重要な役割を果たしました。その独特な建築様式で人々を魅了してきました。

唐造りの天守閣

小倉城の天守閣は、他の城とは異なる「唐造り」と呼ばれる独自の建築スタイルが特徴です。このスタイルは、4階よりも5階が大きいという珍しい構造で、当時の日本において唯一のものでした。また、石垣には「野面積み」と呼ばれる切り石を使用しない技法が採用されており、質素ながらも重厚な雰囲気を醸し出しています。

小倉城の門

小倉城には大手門や槻門を含む8つの門があり、それぞれが城の防御の要として機能していました。これらの門も当時の建築技術を反映しており、歴史的価値が高いものです。

見どころ満載の小倉城内

城内には小倉城の歴史を紹介する大迫力のシアターがあり、来訪者は城の過去を映像で楽しむことができます。また、小倉藩の主であった細川氏や小笠原氏に関する展示や、宮本武蔵と佐々木小次郎の剣豪としての紹介も行われています。さらに、小倉の街を360度見渡せる展望ゾーンも用意され、城からの眺めを存分に楽しめます。

自然との調和

春になると城内には約300本の桜が咲き誇り、花見客で賑わいます。また、秋にはケヤキやイチョウが美しい紅葉を見せ、四季折々の風景が楽しめる点も小倉城の魅力の一つです。

歴史的背景

築城の起源

小倉城は、1569年(永禄12年)に中国地方の毛利氏が最初に築いたとされています。その後、高橋鑑種や毛利勝信が居城しました。1602年に細川忠興が約7年の歳月をかけて天守閣を完成させ、細川氏の居城として機能しましたが、細川氏が熊本へ転封された後、1632年には小笠原忠真が入城し、幕末まで小笠原氏の居城となりました。

災害と戦乱による損壊

1837年に火災により天守閣が焼失し、その後の再建は行われませんでした。さらに、1866年には第二次長州征討の混乱の中で小倉藩が自ら城を焼却し、城郭の多くが失われました。

再建と近代の変遷

明治時代から第二次世界大戦中には、城内に歩兵第12旅団や第12師団の司令部が置かれました。戦後の1959年に天守閣が再建され、その後、1990年には内部がリニューアルされてジオラマや体験型の展示が導入されました。さらに2019年には、天守閣の内部が再度改装され、現代的な展示やエレベーターの設置が行われ、より多くの来訪者に楽しんでもらえる施設となっています。

城の構造と特徴

梯郭式の平城

小倉城は、本丸を中心に松丸や北の丸、二の丸、三の丸、外郭が周囲を囲む梯郭式の平城でした。城の東側を流れる紫川を天然の堀として活用し、城下町を城内に取り込むという総構えを採用していました。このため、城は防御性だけでなく、居住性も高い設計となっていました。

天守の建築美

細川忠興によって建てられた天守閣は、4重5階の大天守と1重の小天守からなる連結式の層塔型天守で、シンプルながらも力強い外観が特徴です。最上階は御上段を中心に縁側が巡らされ、その外側には「唐造り」と呼ばれる独特の構造が施されていました。この唐造りは黒塗りの戸板と白漆喰のコントラストが美しく、当時の茶人としての細川忠興の美意識が反映されています。

近代における再建と修復

1959年の再建時、天守は鉄筋コンクリートで復興されましたが、外観は忠興時代の姿を可能な限り再現しています。その後も瓦屋根の葺き替えや内部の改装が行われ、現代においてもその威容を保っています。

現代における小倉城の魅力

多様な展示と体験

現在の小倉城では、歴史展示や映像シアターの他、来訪者が直接体験できるアトラクションも用意されています。特に、戦国時代の戦闘を再現したジオラマや、武士の装束を試着できるコーナーなどが人気です。また、小倉の街を一望できる展望ゾーンでは、歴史を感じながら現代の街並みを楽しむことができます。

四季折々の美しい風景

小倉城の周囲には豊かな自然が広がっており、春の桜、秋の紅葉など、四季折々の景色を楽しむことができます。特に、城と自然が調和した風景は、訪れる人々を魅了し、写真スポットとしても人気です。

観光施設の充実

2019年の改装後、大手門広場に新たにオープンした観光施設「しろテラス」では、土産物やカフェが併設され、城を訪れる観光客にとって便利なサービスが提供されています。

アクセス

小倉城へのアクセスは非常に便利です。JR小倉駅から徒歩約10分の距離にあり、公共交通機関を利用する観光客にとっても訪れやすい場所に位置しています。また、周辺には商業施設や飲食店も多く、観光の拠点として最適です。

まとめ

小倉城は、歴史的背景だけでなく、現代においても多くの魅力を持つ観光スポットです。唐造りの天守閣や豊かな自然、充実した展示と体験型施設が、訪れる人々を飽きさせることなく楽しませています。歴史ファンのみならず、家族連れや観光客にも愛される名城であり、四季折々の風景が楽しめる点も魅力の一つです。次回の旅行では、ぜひこの壮大な歴史と自然を満喫してください。

Information

名称
小倉城
(こくらじょう)
Kokura Castle
リンク
公式サイト
住所
福岡県北九州市小倉北区城内2-1 勝山公園内
電話番号
093-561-1210
営業時間

4月~10月 9:00~20:00
11月~3月 9:00~19:00

定休日

年中無休

料金

入城料金
一般 : 350円
(2施設共通券 560円※1)
(3施設共通券 700円※2)
中高生 : 200円
(2施設共通券 320円※1)
(3施設共通券 400円※2)
小学生 : 100円
(2施設共通券 160円※1)
(3施設共通券 250円※2)
※1:小倉城、小倉城庭園
※2:小倉城、小倉城庭園、松本清張記念館

アクセス

小倉駅から徒歩で15分

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