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旧門司三井倶楽部

(きゅう もじ みつい くらぶ)

海峡の街、門司の歴史と伝統が息づく格調高い空間で、特別なひとときを

大正10年に三井物産の社交施設として建てられた木造2階建の洋館。

アインシュタインも大正11年に投宿したという歴史的建築物で、今は門司港駅とともに門司港レトロ地区の象徴となっている。

旧門司三井倶楽部の概要

北九州市旧門司三井倶楽部は、福岡県北九州市門司区港町に位置する歴史的建造物で、国の重要文化財に指定されています。この建物は、大正10年(1921年)に三井物産門司支店の社交クラブとして建設され、接客用の洋風の本館と、それに接続する和風の付属屋や倉庫から構成されています。旧門司三井倶楽部は、1990年(平成2年)に現在の門司港レトロ地区に移築され、観光名所として親しまれています。

歴史と移築の経緯

旧門司三井倶楽部は、1921年に門司区谷町に建てられ、1949年(昭和24年)からは国鉄の所有となり「門鉄会館」として利用されていました。1987年(昭和62年)には国鉄の分割・民営化に伴い、国鉄清算事業団に移管されました。その後、北九州市に無償で譲渡され、1990年に国の重要文化財に指定されました。

その後、門司港駅前の門司港レトロ地区へ移築保存するため、平成2年7月から解体工事が始まり、平成3年3月から移築工事が開始されました。新しい場所での再建は1994年(平成6年)12月に完了し、門司港のランドマークの一つとなっています。

建築の特徴

旧門司三井倶楽部は木造2階建で、アールデコ調のモダンなデザインが施されています。外壁は、木の柱や梁などを骨組みとして外に見せるハーフティンバー形式を採用しており、縦横を強調する木部のダークブラウンと白の窓枠、シックな壁色のコントラストが美しい外観を特徴づけています。この様式はイギリスではチューダー様式と呼ばれ、正面には大小5つの切妻屋根が並び、堂々とした印象を与えています。

また、1階エントランスホールの入口には帆船を描いたステンドグラスがはめ込まれており、港町門司港の華やかな時代を今に伝えています。館内には、1922年(大正11年)にアインシュタイン博士夫妻が滞在した部屋が「アインシュタインメモリアルルーム」として復元されており、訪れる人々にその時代の雰囲気を感じさせます。

館内施設の紹介

林芙美子資料室

旧門司三井倶楽部の2階には、北九州市門司区小森江出身の作家、林芙美子に関連する資料を展示した「林芙美子資料室」があります。林芙美子は、1928年に出版された自伝的小説『放浪記』で一躍人気作家となり、以降も多くの作品を発表しました。展示室では、彼女の生涯や作品、足跡を紹介しており、当時の貴重な資料や写真を通じて彼女の人生と文学の世界を垣間見ることができます。

アインシュタインメモリアルルーム

1922年にアインシュタイン博士夫妻が滞在した部屋は、「アインシュタインメモリアルルーム」として復元されています。ドイツの理論物理学者であるアルベルト・アインシュタインは、1905年に特殊相対性理論を提唱し、1921年にはノーベル物理学賞を受賞しています。彼の日本滞在中に使用した部屋は当時のまま保存され、彼の遺品や関連資料も展示されています。

周辺施設の紹介

旧門司三井倶楽部の周辺には、歴史的建造物や観光スポットが多数あります。特に、門司港駅は駅舎が国の重要文化財に指定されており、レトロな雰囲気が観光客を魅了します。その他にも、旧三井物産門司支店や旧門司鉄道管理局事務所、旧JR九州北九州本社、北九州市旧大阪商船など、門司港レトロ地区は見どころが多く、歴史的な建物や施設が集まっています。

アクセス

旧門司三井倶楽部は、JR九州門司港駅から徒歩1分の距離にあり、アクセスが非常に便利です。また、関門汽船の門司港桟橋からも徒歩2分で到着できます。車を利用する場合は、関門橋の門司港ICから約5分、九州自動車道の門司ICからは約8分、北九州高速の春日ランプからも約5分の距離にあります。周辺の観光スポットと合わせて、ぜひ訪れてみてください。

建物の概要

旧門司三井倶楽部は、木造2階建てでスレート葺の屋根を持ち、延床面積は901㎡です。付属屋は木造平屋建てで延床面積は182㎡、倉庫も木造平屋建てで46㎡です。建築家の松田昌平によって設計され、1921年に竣工しました。現在は門司港駅前に移築され、観光名所としてその価値を発揮しています。

北九州市旧門司三井倶楽部は、当時のモダンな建築様式を今に伝える貴重な文化財であり、訪れる人々に大正ロマンの香りを感じさせる建物です。ぜひ、門司港レトロ地区を訪れる際には、旧門司三井倶楽部にも足を運び、その歴史と美しさを堪能してください。

アクセスと利用情報

旧門司三井倶楽部へのアクセスは、公共交通機関と車の両方が便利です。最寄りの駅はJR鹿児島本線の「門司港駅」で、駅から徒歩約10分の距離にあります。また、車を利用する場合は、九州自動車道の「門司IC」から約20分で到着します。駐車場も完備されており、観光シーズンでも利用しやすい環境が整っています。

まとめ

旧門司三井倶楽部は、その歴史と美しい建築で多くの人々を魅了する観光スポットです。20世紀初頭の日本の産業と文化の栄華を物語るこの場所を訪れることで、過去の歴史と現在の魅力を感じることができます。ぜひ一度、旧門司三井倶楽部を訪れて、その魅力を体感してみてください。

Information

名称
旧門司三井倶楽部
(きゅう もじ みつい くらぶ)
Former Moji Mitsui Club
リンク
公式サイト
住所
福岡県北九州市門司区港町7-1
電話番号
093-321-4151
営業時間

9:00〜17:00(入館は16:30まで) レストランは夜間営業あり(概ね21:00まで)

定休日

無休

料金

2階(アインシュタインメモリアルルーム及び林芙美子記念室)のみ有料
大人 150円
小中学生 70円

アクセス

門司港駅から徒歩で1分

車:北九州都市高速春日出口より約5分

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