米本来の旨味を引き出す酒造り
山根酒造場では、米の旨味を引き出すことを最優先に考え、酒造りを行っています。その基本となるのが、米に由来する甘み以外の糖分を酵母に十分に消費させる「完全発酵」です。こうした製法によって、米の個性を生かした味わい深い日本酒を目指しています。
代表銘柄の「日置桜」は、鳥取の自然が育んだ水と酒米の魅力を感じられる日本酒です。複雑で奥行きのある味わいを持ちながらも、透明感のある旨味が楽しめることから、全国に愛飲家を持つ銘柄として知られています。
幻の酒米「強力」が生み出す個性
「日置桜」の酒造りを語るうえで欠かせないのが、鳥取県ゆかりの酒米「強力(ごうりき)」です。草丈が約150cmにもなる長い稲で、非常に硬く大粒という特徴を持っています。こうした性質は酒造りに適していましたが、戦後の農業の変化によって栽培が途絶え、一時は幻の米となりました。
その後、酒造りに適した特性が改めて注目され、昭和60年代に酒米として復活を果たしました。因幡地方の豊かな湧き水と自然環境のもとで育った強力は、「日置桜」の個性を支える重要な存在となっています。
また、鳥取県東部は、伝統工芸の因州和紙の産地としても知られています。地域に根付く文化や自然の恵みに思いを巡らせながら味わえば、土地と酒との深いつながりをより身近に感じられるでしょう。
「青水緑山」の芳醇な旨味と幅広い楽しみ方
「日置桜 特別純米 青水緑山」は、相性のよい2種類の酒米を組み合わせて造られた特別純米酒です。日本酒度は+16と高い数値を示していますが、単に辛口という印象にとどまらず、芳醇で伸びやかな米の旨味が広がります。
口に含むと、ふくよかな旨味と艶やかな丸みを感じられるのが魅力です。しっかりとした味わいの中にも調和があり、米の持つ豊かな風味をじっくりと楽しめます。
さらに、冷酒からお燗まで幅広い温度帯で味わえるのも特徴です。冷やしてすっきりとした風味を楽しむほか、温めて旨味やふくらみを感じるなど、温度による味わいの変化を試すのもおすすめです。
鳥取の自然と酒文化を味わう旅のお供に
山根酒造場の「日置桜 特別純米 青水緑山」は、鳥取の水や米、そして長年受け継がれてきた酒造りの技が感じられる一本です。鳥取市周辺を訪れた際には、地元の食文化や郷土料理とともに、地域ならではの日本酒に親しんでみてはいかがでしょうか。
土地の風土が生み出す奥深い味わいは、鳥取の旅の思い出をより豊かなものにしてくれるでしょう。