鳥取砂丘は、10万年の歳月をかけて形成された日本最大級の砂丘です。東西16km、南北2kmに広がり、地形や風などの気象条件によって風紋や砂簾など様々な表情を見ることができます。さらに、珍しい砂丘植物も生息しています。
鳥取砂丘は、日本海海岸に広がる広大な砂礫地で、鳥取県鳥取市に位置しています。この砂丘は山陰海岸国立公園の特別保護地区に指定され、1955年(昭和30年)には国の天然記念物に、2007年(平成19年)には日本の地質百選に選定されました。
鳥取砂丘は、東西16kmにわたって広がる砂礫地ですが、現在砂丘らしさを保つ部分は東西1.8km程度です。この砂丘は、中国山地の花崗岩質の岩石が風化し、千代川によって日本海へ流された後、海岸に集まった砂が主な成分となっています。
潮流と卓越風の働きで形成された砂丘には、最大高低差90mの「すりばち」と呼ばれる地形が存在し、特に大きなすりばちは高さ40mに達します。また、砂簾や風紋といった自然の美しい模様も見られます。
江戸時代以降、人々は砂丘を利用し始めました。1897年(明治29年)からは陸軍の演習地として使われ、第二次世界大戦後までほとんど自然のまま残されていました。しかし、戦後の食糧不足を受けて砂丘開発が進みました。
砂丘近辺の民家は砂の害に悩まされていたため、防風林の植林が行われましたが、これが観光資源かつ貴重な自然である砂丘の規模縮小や生態系の変化の原因となりました。現在では防風林の面積を減らしながら、地元住民との共生を図っています。
鳥取砂丘は観光地としても人気があり、近隣には「鳥取砂丘こどもの国」や砂像を展示する「砂の美術館」があります。砂丘の入口にはレストハウスや土産物店が並び、ラクダや馬の飼育も行われています。
砂丘はハンググライダーやパラグライダーなどのスカイスポーツの場としても利用され、全日本サンドボード選手権大会も開催されます。また、砂丘近隣の砂丘畑で栽培される白ねぎ、らっきょう、長いもは特産品です。
鳥取砂丘には、独特の植物や動物が自生・生息しており、研究の対象となっています。指定された砂丘植物や動物の生息域を保護するために、景観保護や生態系の維持を目的とした除草作業が行われています。
鳥取大学も砂漠の緑地化研究の場として砂丘を利用しており、その成果は中国の砂漠の緑地化作業にも役立てられています。
砂丘には落書きがされることがあり、2009年(平成21年)からは「日本一の鳥取砂丘を守り育てる条例」が施行され、落書きが過料の対象となりました。しかし、その後も落書きは後を絶たず、様々な対策が取られています。
2011年(平成23年)には、砂丘で4体の人骨が発見されました。鳥取大学医学部での鑑定の結果、江戸時代後期から明治時代初期に埋葬された30代から40代の男女3体、20代から50代の男性1体であることが判明しました。
鳥取砂丘では、「鳥取砂丘光のアートフェア」や「鳥取大砂丘全日本サンドボード選手権大会」などの祭事・催事が開催されます。また、「砂の美術館」は毎年テーマを変えて砂像彫刻を展示する美術館で、観光客に人気です。
鳥取砂丘の周辺には、「鳥取砂丘情報館(サンドパルとっとり)」や「鳥取砂丘 砂丘センター 見晴らしの丘」、「砂丘海水浴場」、「浦富海岸」、「白兎海岸」、「湖山池」、「摩尼寺」などの施設があります。これらの施設も観光客に人気のスポットです。
鳥取駅 バスターミナル → 鳥取砂丘 約20分
鳥取IC から約20分