鮮度が命の希少なエビ
モサエビが「幻のエビ」と呼ばれる理由のひとつは、鮮度が落ちやすいことです。水揚げ直後は美しい桜色をしていますが、時間がたつと頭部などが黒ずみやすく、遠方への流通が難しいとされてきました。そのため、かつては漁師が船上で味わうことも多かった、地元ならではの味覚です。
現在では、鳥取県内の食事処や民宿、温泉旅館などで味わえるほか、スーパーマーケットで販売されることもあります。少量ながら生きた状態で県外へ出荷される場合もあり、以前より広い地域で出会えるようになりました。それでも、鮮度の良いモサエビを現地で味わうことは、鳥取旅行ならではの楽しみです。
旬は9月から翌年5月、特に春がおすすめ
モサエビの漁期は9月から翌年5月まで。なかでも、卵を抱える3月から5月は特においしい季節とされています。春のモサエビは、お腹に緑色の卵を抱えていることがあり、加熱すると黄色く変化します。卵のプチプチとした独特の食感も、旬ならではの楽しみです。
秋から春にかけてはカニ漁の季節とも重なり、鳥取の海の幸が豊富にそろいます。松葉ガニなどとともに、モサエビもぜひ味わいたい一品です。
まずは刺身で、濃厚な甘みを堪能
鮮度の良いモサエビを手に入れたら、まず試したいのが刺身です。透明感のある身と、しっかりとした弾力が新鮮さの目安とされています。胴体の殻をむき、頭と尾を残して盛り付け、刺身醤油で味わうのが一般的です。口の中に広がる濃厚な甘みと旨味を、じっくり楽しめます。
また、しゃぶしゃぶや塩焼き、煮付け、天ぷら、唐揚げなど、調理方法によって異なるおいしさを堪能できます。味噌汁や茶わん蒸しの具材にも適しており、さまざまな料理で活躍します。
殻から取れる濃厚なだしも魅力
モサエビは身だけでなく、殻も料理に生かせます。殻を煮出すと濃厚なだしが取れ、味噌汁などに使えば、エビの豊かな風味を余すところなく楽しめます。刺身を味わった後に、殻から取っただしで仕立てた汁物をいただくのもおすすめです。
甘みの強い刺身から、香ばしい焼き物、旨味が溶け込んだ汁物まで、モサエビは多彩な味わいを楽しめる食材です。鳥取県の米子・大山・境港エリアを訪れた際には、旬と鮮度にこだわって、地元自慢の「幻のエビ」を味わってみてはいかがでしょうか。