奥義の宝、投入堂
三徳山三佛寺の奥院、投入堂は、絶壁の窪みに立つ建築物として類を見ない存在です。その軽快な屋根の反りと堂を支える柱の構成は、建築美の極致を体現しています。
役小角による伝説も残り、その起源は謎めいています。投入堂を間近で見るためには厳しい山道を辿る必要がありますが、望遠鏡を利用して投入堂遙拝所からの遠望もおすすめです。
神秘の修行山で究極の登山体験
三徳山の登山は、幅の狭い道やすべりやすい場所があり、挑戦的なものとなります。三仏寺本堂裏手に登山口があり、投入堂まで全長約900メートル、高低差は約200メートルの参拝登山道となります。
登山する際は、動きやすく両手が自由に動かせる服装がおすすめです。必要な装備として軍手やタオル、水分も忘れずに準備しましょう。登山ができる時間は8時から15時までになっていて、冬季(12月〜翌年3月)および荒天時には進入禁止となります。
三徳山の開山は古く、飛鳥時代の呪術者・役小角(役行者)によって修験道の行場として開かれました。その後、慈覚大師円仁により三仏が安置され、三徳山三佛寺が築かれたのです。
神秘と歴史の融合、三徳山の魅力
鳥取県の中央に位置する三徳山は、標高900メートルの山岳寺院です。特に投入堂は国宝に指定された建物であり、断崖絶壁に建てられた姿は他に類を見ない美しさを持っています。
山名は、蔵王・子守・勝手の三所権現を山内に祀ったことから由来しています。「福徳」「智徳」「寿徳」の三つの徳を授かる場所として、また、「法身(美しい)」「般若(にごりのない)」「解脱(働きのある心)」の三つの徳が山の名前に込められています。
三徳山自体も国の名勝・史跡に指定されており、その自然と歴史の融合が魅力となっています。三徳山三佛寺への訪問は、神秘と感動の旅へと誘います。