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こも豆腐(鳥取県)

(こもどうふ)

わらの香りと素朴な味わいが魅力の伝統料理

こも豆腐は、鳥取県中部の倉吉市周辺に伝わる郷土料理です。「こも」とは、わらを粗く織って作ったむしろのこと。豆腐をわらで包んで加熱することで、わらの香りが移り、独特の風味と模様が生まれます。素朴な見た目の中に、昔ながらの暮らしの知恵が詰まった一品です。

こも豆腐は100年以上にわたって受け継がれてきたとされ、正月や祭り、冠婚葬祭、法事など、特別な日の食卓に欠かせない料理でした。現在では家庭で作られる機会が少なくなりましたが、地域の伝統を伝える料理として、行事やおもてなしの場などで今も親しまれています。

わらが生み出す独特の形と風味

こも豆腐の最大の特徴は、わらで包んで作ることです。豆腐をわらづとに入れてゆでたり蒸したりすると、表面にわらの筋が刻まれ、独特の模様が浮かび上がります。さらに、わらの香りが豆腐に移ることで、一般的な豆腐とはひと味違う風味を楽しめます。

基本の材料は豆腐、人参、ごぼうです。薄切りにした豆腐の間に細長く切った野菜を挟み、わらで包んで加熱します。その後、わらづとから取り出し、砂糖や醤油などで味を調えた汁で煮含めます。家庭や地域によっては、卵やかんぴょう、ほうれん草、季節の野菜などを加えることもあります。

味付けをして煮るほか、輪切りにしてわさび醤油で食べる方法もあります。豆腐のやさしい味わいに野菜の風味が加わり、見た目にも温かみのある料理に仕上がります。

暮らしの知恵から生まれた、倉吉の食文化

かつての鳥取県では、魚が十分に手に入りにくい地域もあり、豆腐は庶民にとって貴重なたんぱく源でした。村に共同の豆腐小屋があり、多くの豆腐を作っていたことから、その活用方法のひとつとして、こも豆腐が生まれたという説もあります。

こも豆腐は、特別な日に人々が集まる際の料理として受け継がれてきました。しかし、昭和30年代にスーパーマーケットが登場するなど、生活様式や食習慣が変化すると、家庭で手間をかけて作る機会は次第に減っていきました。さらに、材料となる、きれいに天日干しされたわらも入手しにくくなり、伝統的な製法を守ることが難しくなっています。

わらで豆腐を包むという素朴な工程には、食材を工夫して生かしてきた先人の知恵が感じられます。こも豆腐は、地域の暮らしや行事と深く結びついた、鳥取県中部ならではの食文化です。

倉吉・三朝観光で郷土料理に触れる

倉吉・三朝エリアには、白壁土蔵群の歴史ある町並みや三朝温泉、三徳山三佛寺、中国庭園の燕趙園など、歴史や文化、自然を楽しめる観光スポットがあります。町歩きや温泉巡りを楽しみながら、地域に受け継がれてきた郷土料理にも目を向けてみましょう。

こも豆腐は、華やかなごちそうとは異なるものの、わらの香りや独特の模様、豆腐と野菜の素朴な味わいが印象に残る料理です。提供される機会は限られることもありますが、出会えた際には、倉吉周辺の伝統と人々の暮らしを感じながら味わってみてください。

Information

名称
こも豆腐(鳥取県)
(こもどうふ)
Komo Tofu: Traditional Straw-Wrapped Tofu from Tottori
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カテゴリ
郷土料理・ローカルフード

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