☰
✕

□ » 北海道・東北 » 秋田県 » 由利本荘

本荘ごてんまり

(ほんじょう 御殿まり)

由利本荘市が誇る伝統工芸の美

本荘ごてんまりは、秋田県由利本荘市を代表する伝統工芸品で、美しい色糸による繊細な模様と、球体の三方に房飾りを付けた優雅な姿が特徴です。古くから受け継がれてきた手まり文化を基に発展し、現在では全国でも類を見ない独自の工芸品として知られています。装飾品や贈答品として高い人気を誇り、由利本荘市の歴史や文化を象徴する存在となっています。

本荘ごてんまりの歴史

手まりの歴史は非常に古く、貞応2年(1223年)には手鞠会が開かれていたという記録が残されています。当初は子どもの遊び道具として親しまれていましたが、やがて装飾性が高まり、美術工芸品として発展していきました。

本荘ごてんまりの起源については諸説ありますが、江戸時代に本荘藩の御殿女中が姫君のために作った手まりが始まりと伝えられています。また、江戸時代後期には旧本荘市石沢鮎瀬地区で受け継がれていた「かけまり」の技法が基礎となり、現在の本荘ごてんまりへと発展したと考えられています。

受け継がれた伝統技術

昭和30年代になると、手作りの手まりは次第に姿を消しつつありました。しかし、地域に伝わる技術を受け継いだ職人たちが古い作品を研究し、製作技法を復元したことで、本荘ごてんまりは再び注目を集めるようになります。

昭和36年(1961年)の秋田国体では、由利本荘市から全国の選手や関係者へ記念品として贈られました。その美しさは高く評価され、「本荘ごてんまり」の名が全国へ広まりました。その後は地域を代表する特産品として育成され、多くの人々に親しまれるようになりました。

美しい模様と独自の魅力

本荘ごてんまり最大の特徴は、鮮やかな色糸で表現される精巧な幾何学模様と、三方に取り付けられた優雅な房飾りです。この三方房は全国でも珍しく、本荘ごてんまりならではの大きな魅力となっています。

伝統的な模様には「菊」「十字手裏剣」「狐の迷い道」などがあり、現在でも基本デザインとして受け継がれています。さらに、「桜」「花火」「矢絣」といった和風の意匠だけでなく、「バラ」や「クレマチス」などの洋花、お雛様やサンタクロースなど現代的なデザインも制作されており、時代に合わせた新しい表現にも挑戦しています。

職人が生み出す繊細な製作工程

本荘ごてんまりは、すべて手作業で丁寧に作られています。まず、もみ殻を芯にして球体の土台を作り、その周囲に糸を何重にも巻いて美しい丸い形に仕上げます。

続いて「地割り」と呼ばれる工程で模様の基準線を引き、色鮮やかな糸を一本一本丁寧に刺しながら模様を描いていきます。最後に三方へ房飾りを取り付けることで、本荘ごてんまりならではの華やかな姿が完成します。

細かな模様を正確に仕上げるためには高度な技術と集中力が必要で、一つひとつの作品には職人の熟練した技と美意識が込められています。

全国ごてんまりコンクール

由利本荘市では毎年秋に「全国ごてんまりコンクール」が開催されています。全国各地から数多くのごてんまりや手まり作品が集まり、その美しさや技術を競い合います。

会場には色鮮やかな作品が並び、伝統的な模様から創作性豊かな作品まで、多彩なごてんまりを一度に鑑賞することができます。全国でも珍しい催しとして、多くの工芸愛好家や観光客が訪れる人気イベントとなっています。

体験を通して伝統文化に触れる

由利本荘市では、本荘ごてんまり作りを体験できる機会も用意されています。初心者でも製作工程の一部を体験することができ、職人の指導を受けながら伝統工芸の魅力を身近に感じられます。

また、本荘郷土資料館では、本荘ごてんまりの歴史や製作道具、歴代コンクール入賞作品などが展示されており、その歩みや技術について詳しく学ぶことができます。

由利本荘市を代表する伝統工芸

現在では製作者の高齢化という課題もありますが、多くの保存団体や愛好家によって技術の継承が進められています。若い世代の参加も増え、新しい感性を取り入れた作品づくりも行われるなど、本荘ごてんまりは今なお進化を続けています。

繊細な刺繍と鮮やかな色彩、そして職人の卓越した技術が織りなす本荘ごてんまりは、由利本荘市を代表する伝統工芸品です。美しい日本の手仕事を感じられる逸品として、お土産や贈り物はもちろん、地域文化に触れる観光の見どころとしても高い人気を集めています。

Information

名称
本荘ごてんまり
(ほんじょう 御殿まり)
エリア
秋田県の観光地 由利本荘の観光地
カテゴリ
伝統工芸・芸能

Gallery

由利本荘

秋田県

カテゴリ

エリア