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荏柄天神社

(えがらてん じんじゃ)

学問の神様を祀る鎌倉時代から神社

鎌倉の天神様

荏柄天神社は、神奈川県鎌倉市二階堂に位置し、菅原道真を祀る歴史的な神社です。鎌倉時代初期から鎌倉幕府との関わりが記録に残っており、武家政権の守護神として鶴岡八幡宮と共に信仰されてきた神社です。

神社は鶴岡八幡宮の東方にあり、鎌倉と横浜市金沢区六浦を結ぶ金沢街道に参道が接続されています。参道入口から300メートルほど進んだ小台地に荏柄天神社があります。

現在の拝殿・幣殿は1936年に再建されたもので、朱塗りの美しい建物です。境内には鎌倉一の大銀杏として知られる銀杏の木もあります。本殿は、鶴岡八幡宮 若宮社の本殿を移築した建物で、国の重要文化財として指定されています。

学問の神様である菅原道真を祀る神社で、福岡市の太宰府天満宮、京都市の北野天満宮と共に、日本三天神の一つに数えられます。

歴史と由緒

荏柄天神社の創建は、長治元年(1104年)に遡ります。社伝によれば、菅原道真を勧請し、当地に神社を創立したと伝えられ、古くは荏柄山天満宮とも称されていました。荏柄という地名は、正倉院文書や『倭名類聚抄』に見られる「荏草郷(えがや)」が転じたものであり、鎌倉時代初期から鎌倉幕府の守護神として信仰されてきました。

鎌倉幕府との関わり

『吾妻鏡』には、鎌倉幕府との関わりが詳細に記録されており、初出は建仁2年(1202年)9月11日条で、源頼家が荏柄天神社に菅原道真の御神忌三百年祭を執り行ったことが記されています。以後、歴代の将軍家をはじめ、鎌倉幕府の崇敬社となり、重要な神社として位置づけられました。

室町時代から江戸時代

室町時代には鎌倉府の足利氏、その後は後北条氏、豊臣秀吉、徳川家康など、時の権力者からも庇護を受けました。天文17年(1548年)には、北条氏康が金沢街道に関所を設け、その収入を社殿造営に充てた記録があります。天正18年(1590年)には徳川家康が土地を寄進し、社殿の修繕が行われました。これにより、荏柄天神社は鶴岡八幡宮と並ぶ武門の神として維持されました。

明治以降の変遷

江戸時代中頃以降、教王護国寺派の一乗院が別当として荏柄天神社を管理しましたが、明治の神仏分離により村社となりました。境内地は宗教的な環境を良好に保っており、武家の信仰形態を伝える遺跡として国の史跡に指定されています。2024年3月には鶴岡八幡宮とともに神社本庁からの離脱を通告し、新たな時代を迎えました。

境内の施設と見どころ

境内は周囲よりも7メートル程高く、東西約55メートル、南北約50メートルの削平地に社殿が建てられ、社殿の後方は急な人工的な崖になっています。

また、社殿の両側には袖状の尾根が張り出しており、鶴岡八幡宮との共通性が見られます。

拝殿と本殿

荏柄天神社の拝殿と幣殿は、1923年の関東大震災で損壊しましたが、1936年(昭和11年)に再建されました。本殿は三間社流造の銅板葺きで、元は鶴岡八幡宮若宮社の本殿でした。現在、本殿は国の重要文化財に指定されています。

文化財と記念物

荏柄天神社には、国指定の重要文化財が数多く保存されています。特に、本殿は元和8年(1622年)に鶴岡八幡宮から移築されたもので、室町時代に遡る建築様式を伝えています。また、木造天神坐像や天神立像などの貴重な彫刻もあり、東洋の解剖学の歴史を物語る資料としても重要です。

絵筆塚と大銀杏

荏柄天神社の境内には、漫画家・清水崑が建立した「かっぱ筆塚」と、漫画家・横山隆一らが建立した「絵筆塚」があります。

かっぱ筆塚は清水崑が、鎌倉での神縁に感謝して愛用した絵筆を納めています。河童の絵が描かれた表側には川端康成の「かっぱ筆塚」の字が刻まれています。

絵筆塚は、154人の漫画家によるカッパのレリーフが付けられています。青銅製で高さ3.2m、直径1m、重さ800kgです。

これらの筆塚は、漫画家たちの感謝の意を表すとともに、芸術の神としての天神信仰を象徴しています。

さらに、推定樹齢900年の大銀杏があり、その巨大な姿は訪れる人々を圧倒します。

やぐら

本殿向かって右側の山肌には、二箇所の横穴のやぐらがあり、内部で繋がっています。これらのやぐらは鎌倉時代の遺構とされ、かつては天園ハイキングコースの入口があった場所でもあります。

文化財と国指定の史跡

重要文化財

荏柄天神社本殿は、附扉板6枚を含む建造物として2005年(平成17年)に国の重要文化財に指定されました。本殿は、元和8年(1622年)に若宮社の旧本殿を移築したもので、鎌倉地方における中世建築の稀少な遺構の一つです。また、木造天神坐像と附天神立像も1977年(昭和52年)に重要文化財に指定され、解剖学的な貴重な資料としても評価されています。

史跡と鎌倉市指定文化財

荏柄天神社の境内は、2005年に国の史跡として指定されました。また、鎌倉市指定文化財として、紙本著色束帯天神像や荏柄天神社文書が保存されています。これらの文化財は、鎌倉の歴史と文化を伝える重要な遺産です。

天然記念物

荏柄天神社の境内には、天然記念物として指定されたイチョウの大木があります。この大銀杏は推定樹齢900年で、高さ25メートル、胴回り10メートルを誇り、鎌倉時代から続く歴史の証人として静かにそびえ立っています。

年間行事と祭事

月行事

荏柄天神社では、毎月25日に「月次祭」が行われ、天神様の御縁日として多くの参拝者が訪れます。

年中行事

1月6日の「新年祭」や1月15日の「左義長神事」、そして1月25日の「初天神祭」など、年間を通じて様々な祭事が行われます。特に7月24日の「宵宮祭」と翌日の「例大祭」は、荏柄天神社の最大の祭典であり、多くの参拝者が集まります。また、10月の「絵筆塚祭」では、筆の焚き上げ供養が行われ、芸術を愛する人々にとって重要な行事となっています。

荏柄天神社の魅力

荏柄天神社は、鎌倉時代から続く深い歴史と文化を持つ神社であり、その境内には多くの重要文化財や天然記念物が残されています。また、年間を通じて行われる多彩な祭事や行事は、地域の人々に愛され続けており、鎌倉の歴史を体感できる貴重な場所です。荏柄天神社を訪れることで、過去と現在が織り成す歴史の重みを感じることができるでしょう。

Information

名称
荏柄天神社
(えがらてん じんじゃ)
Egara Tenjin Shrine
リンク
公式サイト
住所
神奈川県鎌倉市二階堂74
電話番号
0467-25-1772
営業時間

8:30~16:30

料金

無料

駐車場
市営駐車場を利用
アクセス

電車:
JR鎌倉駅より京急バス5番乗り場「鎌倉20 大塔宮」行「天神前」バス停 下車3分
鶴岡八幡宮より徒歩10分

車:横横道 路朝比奈インターより10分

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