恵那市岩村町で受け継がれる栽培と食文化
岐阜県恵那市岩村町では、砂地がきくいもの栽培に適していたことから、1987年頃より本格的な栽培が始まりました。現在も、きくいもの味噌漬けや粕漬けが地域の名物として親しまれています。
日本で栽培されるきくいもは、ショウガのようにゴツゴツとした形状をしています。市場では「トッピナンポ」と呼ばれることもあります。
岐阜県では、地域に根付いた漬物文化を次世代へ伝えるため、きくいもを「飛騨・美濃伝統野菜」に指定し、その生産を推奨しています。伝統的な食文化と地域の農業をつなぐ、大切な食材のひとつです。
イヌリンを豊富に含む食材
きくいもの塊茎には炭水化物が多く含まれ、その大部分を占めるのが、食物繊維の一種であるイヌリンです。生のきくいもには、一般的に15~19%程度のイヌリンが含まれるとされています。
一般的な芋類とは異なり、きくいもにはデンプンがほとんど含まれていません。また、イヌリンの含有量は晩秋に最も多くなるとされています。旬の時期に味わうことで、きくいもならではの風味と食感を楽しめます。
イヌリンと健康への関心
イヌリンはキク科植物に特徴的な貯蔵多糖類で、水に溶けやすい性質を持っています。腸内細菌によって利用されることで、腸内環境を整える働きが期待されており、近年、健康食材として注目されています。
また、食後の血糖値の上昇を緩やかにする働きについても研究が進められています。ただし、きくいもを食べることだけで糖尿病を予防・治療できるわけではありません。健康維持を考える際には、バランスの取れた食生活を心がけることが大切です。
きくいもの旬
旬の時期:11月
秋が深まる11月は、きくいもの収穫期です。恵那市岩村町に受け継がれる味噌漬けや粕漬けをはじめ、さまざまな料理で、独特の風味と歯ごたえを味わってみてはいかがでしょうか。