岩村町本通りの町並みの特色
町並みのほぼ中央に位置する桝形(下町升形)を境に、東側と西側では建物の特徴が異なります。
江戸時代の面影を残す商家町
桝形から東側は、旧城下町の商家町として栄えた地域です。江戸時代に建てられた建物が数多く残り、南北に細長い敷地割りが特徴です。建物は切妻造り・平入りが一般的で、格子や出格子、桟瓦葺きなど、伝統的な町家建築の意匠を見ることができます。
一部の建物には、なまこ壁や武者窓なども残されています。商家や問屋の建物を眺めながら歩くと、当時の商業活動や城下町の暮らしを身近に感じられます。
明治以降に形成された町並み
桝形から西側は、主に明治維新以降に形成された地域です。建物は二階部分を居室として利用する高い造りが多く、東側の江戸時代の町並みとは異なる景観を楽しめます。
なまこ壁と武者窓
木村邸の裏通りには、伝統的な土壁の仕上げである「なまこ壁」が残されています。また、藩主が出入りしたとされる玄関や武者窓など、城下町ならではの特徴的な建築意匠も見どころです。
岩村町本通りの見どころ
土佐屋「工芸の館」
土佐屋は、安永7年(1780年)に建てられた建物で、恵那市指定文化財となっています。1999年に「工芸の館」としてオープンし、歴史ある建物の魅力に触れられる施設です。
江戸城下町の館 勝川家
勝川家は、江戸時代後期の町屋建築です。土蔵など5棟が恵那市指定文化財となっており、当時の商家建築の特徴を知ることができます。
木村邸
木村邸は、寛政年間(1789年~1801年)に建てられた町屋建築です。主屋や書院など3棟が恵那市指定文化財に指定されており、歴史的な町家の構造や意匠を見学できます。
浅見家住宅
浅見家住宅は、江戸時代末期に建てられた歴史的建造物です。主屋、本蔵、土蔵、長屋門の4棟が恵那市指定文化財となっており、当時の住まいと暮らしの様子を伝えています。
岩村藩鉄砲鍛冶加納家
加納家は、文化11年(1814年)に建てられた建物で、恵那市指定文化財に指定されています。岩村藩の歴史や、城下町で営まれていた職人の仕事に思いを巡らせることができます。
そのほかの見どころ
岩村町本通りとその周辺には、歴史や文化に触れられる施設、地域の暮らしを伝えるスポットが点在しています。
柴田家(いわむら美術の館)では美術に親しむことができ、上町まちなか交流館では町歩きの途中に地域の魅力に触れられます。また、町並みに沿って流れる天正疎水も、岩村の歴史的な景観を形づくる存在です。
城下町で味わう郷土菓子と地酒
岩村町本通りは、歴史的な町並みだけでなく、昔ながらの味を楽しめることでも知られています。約1.3キロメートル続く通りを歩きながら、地元ならではの菓子や酒を味わうのも楽しみのひとつです。
松浦軒本店のカステラ
松浦軒本店は、寛政8年(1796年)創業のカステラ製造販売店です。長い歴史を持つ老舗として、岩村の菓子文化を今に伝えています。
松浦軒本舗のカステラ
松浦軒本舗は、明治15年(1882年)創業のカステラ製造販売店です。歴史ある城下町で、伝統の味を楽しめます。
かんからやのかんから餅
かんからやは、かんから餅を製造・販売する店です。こし餡、きな粉、ゴマを使った素朴な餅菓子は、岩村の郷土の味として親しまれています。
岩村醸造の地酒「女城主」
岩村醸造は、天明7年(1787年)創業の酒造メーカーです。地元の米と、約400年前に掘られたとされる井戸の水を使い、地酒「女城主」を製造しています。国内外で高い評価を受けている銘柄です。
岩村醸造の酒蔵は、間口が狭く奥行きが長い造りが特徴です。かつては米や水を運ぶためにトロッコが使われており、酒造りの歴史を感じさせる建物となっています。
五平餅・カステラ・かんから餅
岩村の城下町では、五平餅やカステラ、かんから餅などの郷土菓子を楽しめます。町並み散策の合間に、地元で受け継がれてきた味を味わってみてはいかがでしょうか。
戦乱の歴史と女城主
岩村城は、鎌倉時代の文治元年(1185年)に開城されたとされ、明治時代の廃城令が出された1873年まで存在しました。戦国時代には織田氏と武田氏の勢力争いに巻き込まれ、城下町も歴史の大きな転換点を経験しました。
岩村城では、城主の妻であるおつやの方が領地を治めたことで知られています。しかし、戦乱のなかで織田信長によって磔にされたと伝えられ、悲劇的な最期を遂げました。こうした歴史は、岩村町本通りの町並みを歩く際にも思いを巡らせたい物語のひとつです。
岩村町本通りの歴史
重要伝統的建造物群保存地区への選定
1998年、岩村町本通りは、歴史的な町並みを保存するための重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。
遊歩百選への選定
2003年には、「城址と古い町並み」が遊歩百選に選定されました。岩村城跡と城下町をめぐる散策コースは、歴史と風情を楽しめる場所として親しまれています。
連続テレビ小説のロケ地
2018年には、NHK連続テレビ小説「半分、青い。」のロケ地となりました。歴史ある町並みが映像作品の舞台としても注目を集めました。