花ももの里の成り立ち
この公園は、宇都宮大学農学部と飯坂温泉観光協会の共同研究として2003年に整備が始まりました。指導にあたったのは、元宇都宮大学農学部教授の吉田雅夫氏です。吉田氏が世界各国から収集した花桃40品種を市有地に植栽し、2007年に「花ももの里」として一般公開されました。当初は約200本からスタートしましたが、その後規模を拡大し、現在では敷地面積8,000㎡(80アール)、植栽本数約300本にまで成長しています。
花ももの魅力
多彩な品種
花ももの里の特徴は、日本で唯一、世界中から集められた40種類の花桃を一度に楽しめる点です。代表的な品種として「矢口」「寒白」「菊桃」「源平枝垂れ」「照手水密」「箒桃」などがあり、珍しいものでは「寿星桃」「山桃(ロトウザクラ)」「雲龍桃」なども植えられています。
多様な樹姿と花色
花桃の姿は非常にバリエーション豊かで、立性・枝垂れ性・箒性・矮性など多様な樹姿を持ちます。花の色も赤・ピンク・白・咲き分けなど多彩で、一重咲きから八重咲き、菊咲きまでさまざまな形が楽しめます。こうした多様性のおかげで、訪れる人は園内を歩くだけで飽きることなく鑑賞できます。
見頃の時期
花ももの里では、4月上旬から下旬にかけて花が咲き乱れます。品種によって開花のタイミングが異なるため、見頃はおよそ一か月にわたり続きます。特に4月中旬から下旬にかけては、多彩な花色が一斉に開花し、園内は華やかさに包まれます。
園内での楽しみ方
写真撮影に最適
園内は花木が整然と植えられているため、美しい写真撮影スポットとして人気があります。花桃を背景にした記念撮影はもちろん、品種ごとの違いを切り取る楽しみ方もおすすめです。
環境整備協力金
開園期間中は環境整備協力金(300円)を支払う仕組みになっており、園内の維持や管理に役立てられています。訪れる人々の協力によって、毎年美しい花桃の景観が守られているのです。
アクセス情報
花ももの里は、福島県福島市飯坂町東舘下に位置しています。
- 公共交通機関利用の場合:
福島交通飯坂線「飯坂温泉駅」から徒歩約20分 - 車利用の場合:
東北自動車道「福島飯坂インターチェンジ」、または東北中央自動車道「福島大笹生インターチェンジ」からそれぞれ約15分 - 駐車場:
園内近隣にある舘の山公園駐車場を利用可能
まとめ
花ももの里は、世界中から集めた花桃が咲き誇る特別な公園で、春の福島を象徴する観光スポットの一つです。品種ごとに異なる花の形や色を楽しめるのはもちろん、訪れる時期によって表情が変わるのも大きな魅力です。花桃が織りなす鮮やかな景色は、まさに桃源郷のような美しさ。飯坂温泉とあわせて訪れれば、心に残る春のひとときを過ごせることでしょう。